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激化する企業競争を勝ち抜く秘訣は「人材マネジメント」にあり

激化する企業競争を勝ち抜く秘訣は「人材マネジメント」にあり

近年ますます激化する企業競争に勝ち抜くためには、コスト削減や生産性向上などさまざまな経営課題に取り組んでいく必要があります。そのなかでも、とりわけ重要とされているのが「人材」をいかに活用するかという視点です。こうした背景のなか、注目を集めている人材マネジメントについて紹介します。

※経営課題の全体像については「今解決すべき中小企業の“5大”経営課題とは?解決のヒントを解説」もあわせてご覧ください。

企業競争力を高める取り組み

人材マネジメントとは、従業員の勤労意欲ややりがいを増進することで、企業競争力を高める手法です。「企業経営の根幹は人材である」とよく言われますが、従業員のモチベーションを高いレベルで維持することができれば、企業にとってさまざまな良い影響が見込めます。

一般的に、人材マネジメントに取り組むことで以下のようなメリットがあるとされています。

・企業の組織力の向上

・企業の業績アップ

・従業員のパフォーマンス向上

・企業に対するエンゲージメント向上

・離職率の低下

・平均勤続年数の向上による企業風土の熟成

・製品やサービスの質向上

かつてはしっかりとした経営戦略と品質の高い製品やサービスがあれば、企業は成長していくと考えられていた時代もありました。しかし、現代はそれだけでは競合相手との差別化を図るのは難しく、人材の強化により他社にはない優位性を築いていく必要があります。

人材マネジメントとはただ従業員に気持ちよく仕事をしてもらうだけではなく、従業員を経営資源のひとつとしてとらえ、企業競争力の優位性を維持し、経営目標の達成のために行われる取り組みのひとつなのです。

人材マネジメント6つの取り組み

企業にとってさまざまな良い影響が期待できる人材マネジメントですが、具体的にはどのように取り組んでいけばいいのでしょうか。さまざまな方法がありますが、従業員のモチベーション向上や企業競争力の向上という視点では以下のものが一般的です。

1)   評価制度

従業員のモチベーションにつながるのは、やはり自分が成し遂げた仕事が評価されることです。社内の表彰制度のように目に見える形で仕事を評価する仕組みのほか、昇給や昇進などの要件が明確になっているとさらなるモチベーション向上につながります。

2)   従業員の育成

企業競争力の向上という視点では、従業員の育成制度も重要なポイントです。社内研修会やセミナー、資格取得にかかる費用の補助など従業員のスキルアップをあと押しすることで、業務の質の向上も見込めます。

3)   人材の異動・配置

従業員の能力や適性、希望に合わせて適宜人員を配置することでモチベーション維持につながります。社内公募制度のような社内制度の整備などもありますが、日ごろから働きぶりを観察して能力や適性を把握することが重要です。

4)   報酬

評価だけでなく、給与やボーナスなどの報酬もモチベーション向上につながる要因です。業績や勤務年数の長い従業員との兼ね合いもありますが、働き方や能力に応じた適正な報酬が支払われることで前向きに仕事に取り組むことにつながります。

5)   福利厚生

従業員にとって福利厚生が充実しているかどうかは、企業を選ぶうえで重要な基準のひとつです。住宅手当や家族手当などのほか、健康診断の補助、社員食堂、託児制度の整備など、従業員が仕事に集中しやすい環境を整えることが大切です。

6)   人材の採用

人材マネジメントにおいては、既存の従業員だけでなく新しく仲間に加わる従業員も重要なポイントです。企業風土との親和性や求めているスキルにマッチしているかなど、自社に合った人を採用することが重要です。

上記はいずれも人材マネジメントの代表的な手法ですが、企業によってはすぐに取り組むことが難しいケースもあるかもしれません。従業員の給与アップや福利厚生の充実は業績やほかの従業員との兼ね合いもありますし、評価制度を整備してその基準をまとめるのは時間がかかります。そのため、すべてを同時に進めるのではなく、自社の環境下で実現できそうな取り組みは何か、また従業員にとってメリットになる取り組みは何かという視点で、実現可能なものから取り組んでいくといいでしょう。

人材マネジメントにおける課題

人材マネジメントにおいて従業員の評価は重要な施策のひとつですが、そこにはいくつかの課題もあります。厚生労働省が企業の人材マネジメントの現状についてまとめた「企業における人材マネジメントの動向と課題」によると、多くの企業ではすでに業績評価制度を導入しているものの、そのうち50.5%の企業では「評価による問題点がある」と回答しています。

問題の具体的な内容については、「評価によって勤労意欲の低下を招く(20.9%)」が最も多く、次いで「評価結果に対する本人の納得が得られない(19.1%)」「評価システムに対して労働者の納得が得られない(14.4%)」が多くなっており、業績評価制度を導入しても従業員の理解が得られず、結果として勤労意欲の低下を招いてしまっているケースがあることがうかがえます。

また、ほかには「個人業績を重視するため、グループやチームの作業に支障がでる(11.6%)」「職場の雰囲気が悪化する(5.4%)」という回答もあり、業績評価制度を導入したがゆえに個人プレーに走る従業員が増え、チームワークが悪くなるケースもあることが明らかになっています。

ただ一方で、「評価による問題点が特にない」と回答した企業も、約半数(49.5%)にのぼっており、業績評価制度の導入が必ずしもオフィスの雰囲気を悪くするとは言い切れないという結果も出ています。評価制度を導入する際は、ただ制度を作るのではなく、従業員の理解を得られるよう多角的な視点から評価基準を設定することが重要と言えるかもしれません。

人材マネジメント成功のためのポイント

業績評価制度の導入はうまくすれば従業員のモチベーションを維持する効果がありますが、一部では従業員の理解を得るのが難しい場面もあります。

こうした理由もあり、特に中小企業では業績評価制度を導入している企業の割合は減少傾向にあり、代わりに役職や職務をベースにした評価を行う企業が増えています。従業員の理解を得るのが難しい評価制度を時間や手間をかけて作るよりも、役職や職務という分かりやすい基準を採用するのは、理にかなった判断とも言えるでしょう。

そこで注目したいのが、企業の目的や目標達成に合わせた人材を育成・または採用するという視点です。企業には中長期的な目標があり、達成を繰り返すことで成長を続けています。この達成につながるような人材を増やしていくことで、企業競争力の強化にもつながり、また同時に役職、職務をベースにした人材マネジメントを図ることもできるでしょう。

そのためにはまず、中長期的に達成したい目標の洗い出しから始める必要があります。「事業を他地域に展開したい」「基幹システムを刷新したい」などのほか「退職者が多いため人事のスペシャリストを育成したい」のように、課題をもとにして目標設定する方法もあります。

こうした目標を設定できたら、目標達成のために必要な人材像を描きます。例えば「事業を他地域に展開したい」場合はその地域のことをよく知ったマネージャークラスの人材が必要ですし、「基幹システムを刷新したい」場合はシステムのことをよく知ったプロジェクトリーダーが必要となるでしょう。社内に適任者がいない場合は、必要なスキル要件を設定したうえで、社員研修やセミナーなどで資格やスキルの取得を促すか、または採用活動を行うことになります。

こうした人材マネジメントを行うメリットは、役職や職務といった基準を作りやすく、従業員の理解を得られやすい点にあります。業績評価制度はともすれば懲罰的な制度に傾くケースもありますが、企業に必要な人材像を明確にした人材マネジメントを行うことで、従業員の帰属意識を高め、さらに企業の成長につなげることができるのです。

「発展する会社の二つの事実~社員満足(ES)と顧客満足(CS)の現実化」も合わせてご覧ください。

ビジネスを成功に導くために欠かせない戦略

人材マネジメントは企業の競争力を高め、ビジネスを成功に導くために欠かせない戦略のひとつです。最近は企業の人材に関する課題を相談できる人材育成のサービスも登場しており、必要に応じて専門家の力を借りながら取り組むことをおすすめします。

一般的に、人材育成のプログラムは、どの研修を行う会社も一緒という印象を持たれる方も少なからずいらっしゃいます。当社でも、「人材育成」サービスを提供していますが、長年の業界経験で培ったノウハウを活かした内容でお伝えしております。さまざまな形式で実施可能なので、お気軽にご相談ください。

 

参考:

企業における人材マネジメントの動向と課題(pdf)|厚生労働省