ブログ

今解決すべき中小企業の“5大”経営課題とは?解決のヒントを解説

今解決すべき中小企業の“5大”経営課題とは?解決のヒントを解説

人口減少や新型コロナウイルスの流行を受け、さまざまな経営課題に直面し、先行きに不安を抱える中小企業も少なくありません。そこで今回は、「経営課題を生じさせる要因」や「具体的な経営課題」について分かりやすく紹介します。それぞれの経営課題を解決するためのヒントも解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

経営課題を生じさせる要因・背景とは?

そもそも、経営課題が生まれてしまう要因とは何なのでしょうか。
時代的な背景も踏まえて、大きく5つの観点から解説します。

(1)人口の減少

日本では、他国と比較して急速に少子高齢化が進んでいます。総務省の「情報通信白書」(※)によれば、日本の総人口は2008年をピークに減少を続けており、2060年には8,674万人まで減少すると言われています。また、2015年に7,629万人だった生産年齢人口も、2030年には6,773万人まで減少する見立てです。こうした人口減少に伴い、企業では人材不足が顕著となっています。特に中小企業は大企業とはブランド力に差があり、採用競争で不利になることも多いです。そのため、今後は採用難や後継者難などの経営課題が増える可能性もあります。

※参考:平成29年版 情報通信白書|総務省

(2)テクノロジーの台頭

最新テクノロジーをいかに活用できるかは、企業にとって目下の課題です。
2020年3月には5Gの商用化も始まっており、インターネットの通信速度は飛躍的に向上することが見込まれます。今後はWebでの集客やブランディングが、企業成長の要になることは間違いないでしょう。また、AIやロボットによってライン作業や事務作業の省人化を図る企業も増えています。特に製造業では、2030年までに就業者が160万人減少する(※)との予測もあるほどです。だからこそ、最新テクノロジーの活用に出遅れてしまうと、競合他社に大きく差別化を図られ、売り上げ低下や収益減といった致命的な経営課題を生んでしまう恐れもあります。

※参考:将来に予想される社会変化|内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局(PDF)

(3)国際競争の激化

今や自社のライバルが、国内企業だけとは限りません。近年はインターネットの普及によって地理的な制約が解消され、企業活動のグローバル化が大きく進展しました。国内市場と国際市場が一体化するなかで、中小企業は他社との差別化を図っていく必要があります。仮に市場内に資本力を持つ国際企業が進出した場合、中小企業は価格競争で不利に立たされる可能性もあるでしょう。そのため、中小企業ならではのスピード感を活かし、いかに新たなイノベーションを起こし、ユニークなサービス・製品を開発できるかが経営課題となっているのです。

(4)消費者ニーズの多様化

インターネットやSNSの普及によって、誰もがさまざまな情報を手軽に得られるようになりました。その結果、消費者のライフスタイルが多様化し、誰もが個人の嗜好(しこう)に合わせた商品・サービスを活用するようになっています。また、景気変動に合わせて、シェアリングエコノミーやサブスクリプションといった新たなビジネス領域も生まれ、人気を集めています。企業としては、多様化する消費者ニーズをいかに敏感にとらえられるかが肝心です。かつ、そのなかで消費者に長く愛される、ブランド力のある商品を開発することも経営課題と言えます。

(5)新型コロナウイルスの流行や自然災害の発生

2020年以降、新型コロナウイルスの流行によって多くの企業が影響を受けています。独立行政法人 中小企業基盤整備機構の調査によれば、中小企業の41.3%が「(コロナによって)前年同月比の業績に大幅なマイナス影響が発生」と答えました。また、今後の事業面については32.7%が「対策なし・今後の対策が分からない」と回答しています。ビジネスモデルの抜本的な見直しが図られる一方で、前例がなく具体的な方策が描きにくいという現状があるのです。

コロナウイルス感染症や相次ぐ自然災害など想定できない事態が毎年のように起きるため、具体的な対策や備えも追い付かず、将来に対する希望を描きにくい企業も少なくありません。経営基盤の強化や健全化は、中小企業にとって大きな経営課題です。

※参考:新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査(2020年7月)|独立行政法人 中小企業基盤整備機構

中小企業が抱える経営課題と解決のヒントとは?

こうした背景のなか、中小企業はどのような経営課題を抱えているのでしょうか。
ここでは、中小企業の主な経営課題5つを紹介し、それぞれについて解決のヒントを解説します。

(1)収益性の向上・売り上げの拡大

中小企業においては、ある一定から成長が頭打ちになり、対策に困っている企業も少なくありません。つまり、いかに事業のシェアを拡大し、業績・収益を伸ばしていくかが大きな経営課題となっています。収益性を伸ばすためには、まず「集客」の仕組みを確立すること、そして営業の提案力を底上げすることが解決のポイントです。

◆解決策1:マーケティングの強化
営業が人海戦術で商品を提案している状態では、数の力で大手に負けてしまいます。また、一人ひとりの経験や力によって結果に大きな差が生まれてしまいます。そこで大切なのが、自動的・効率的に集客できるような仕組み、つまりマーケティングの施策を強化することです。「マーケティングの理想は、販売を不要にすること」というドラッカーの言葉どおり、製品の売れる“動線”を作っておくことが重要です。

その一例が、「Webマーケティング」です。まず自社のWebサイトを制作し、SEO対策で検索上位にのぼるように工夫すれば、Web上から見込み顧客を集められるようになります。さらには、リスティング広告やターゲティング広告などのWeb広告を活用すれば、費用対効果を意識しつつ会社・商品の認知度を高めることが可能です。最近ではSNSで自社のアカウントを作成し、定期的に情報発信して集客を図る企業もあります。加えて、MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入すれば、集客の成果を管理・分析して、確度の高い見込み顧客のみを営業へ引き渡すこともできます。これらはあくまでも一例ですが、マーケティング施策の強化が、成約率の向上にもつながるのです。

◆解決策2:営業力の向上
中小企業では人材リソースが限られているため、売上高を伸ばすためには、営業の受注確率を高める必要があります。そのためには、一人ひとりの営業力を伸ばすことが大切です。例えば、新たな実績評価制度を導入して、成果に対するモチベーションアップを図るのも手でしょう。また、営業に必要なスキルを見直し、それに合わせてフィールド・インサイドセールスなどの組織体制を設計し直すことも有効です。外部のキャリア開発研修を活用し、座学やワークショップで各営業スタッフの提案力を磨くこともできます。営業力アップのための施策は、収益向上に向けた有用な投資になるでしょう。

(2)ブランド力の向上

中小企業は、価格競争に巻き込まれると資本力のある大企業には勝てないケースが多いです。そのため、自社のオリジナリティを見いだし、市場のなかで唯一無二のポジションを確立する(ブランディングする)必要があります。ブランド力が向上すれば、一定数の固定客を獲得できるようになり、比較的高い価格帯の商品でも選んでもらえるようになります。企業の永続的な成長につなげるためにも、ブランド力の向上は重要な経営課題です。

◆解決策1:ブランド戦略の立案
ブランディングの第一歩は、自社の製品の強みを知ることです。そして、その強みをどんなメッセージで打ち出せば、独自のポジションを築けるか考えましょう。例えば、単純に「おいしい和菓子」とうたうよりも、「(おいしいので)営業時の手土産として喜ばれる和菓子」という方が、独自の立ち位置を築けそうです。製品のターゲット像を思い浮かべ、自社製品にどんなメリットがあるかを考えると、ポジショニングも浮かびやすいでしょう。

◆解決策2:プロモーション手法の改善
ブランド戦略が決まれば、プロモーション(販促)の手法も見直すことが大切です。例えば、ブランドメッセージに沿って、パンフレットやカタログ、Webサイトの内容をリニューアルします。その際、文章のトーンやデザインの世界観に一貫性を持たせるようにしましょう。その方が、ブランドイメージをより強く消費者に印象づけられます。また、ターゲットが自社のブランドをすでに知っているかどうかで、プロモーション手法も変わります。「認知度アップ」ならCMや広告、SNSによる拡散、「購入促進」なら店頭POPやポイント付与、アプリを使った囲い込みなど、販促の目的に合わせて手法を考えましょう。

(3)人材不足の解消・生産性の向上

企業活動で最も重要なリソースは、「人材」だといわれています。製品を開発するにも、拡販するにも、人材が欠かせません。ただ、人口減少の影響もあり、中小企業では人材不足が大きな経営課題となっています。それに伴い、人材難のなかでいかに効率良く事業を運営していくか、つまり生産性の向上が求められている状況です。

◆解決策1:職場環境・労働条件の改善
人材不足に陥っている原因のひとつに、「労働環境が整っていないこと」が挙げられるかもしれません。近年はワーク・ライフ・バランスという言葉が浸透していることからも分かるとおり、「働きやすさ」が職場選びの重要な判断軸になっています。そのため、できるだけ職場環境・労働条件を整えることで、求人への応募者数を増やすことが可能です。

例えば、時短制度やフレックスタイム制、リモートワークが可能などの柔軟な働き方を取り入れたり、家賃補助や育児手当などの福利厚生を整えたりするのも有効でしょう。ほかにも、オフィスのトイレを男女で分けたり、冷房が従業員に直接当たらないように配慮したり、無料のコーヒーマシンを置いたり……実は小さな取り組みが積もり積もって、「働きやすい職場」というイメージの形成につながるものです。まずは職場の問題点を洗い出してみることも大切でしょう。

◆解決策2:IT・アウトソーシングによる省力化
人材不足を解消するためには、非効率な業務を「自動化・省人化」することも大切です。例えば、紙や表計算ソフトでの面倒な帳簿作成も、会計システムを導入すれば効率化できます。最近では、事務作業をAIが代行してくれるRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)というシステムもあります。特に中小企業はIT化が進んでおらず、システムによって業務効率が大きく改善される部分も多いです。また、部門をまたいで重複している業務や、不必要な確認フローが潜んでいるかもしれません。一度業務プロセスを見直し、無駄を省くことも重要です。

「深刻化する人材不足、企業への影響と取り組むべき課題とは」もあわせてご一読ください。

(4)新製品・新サービスの開発

ニーズが多様化し、消費サイクルが早まっている今、既存商品だけに頼っていては長期の成長は見込めません。そのため、いかに新製品・新サービスを生み出し続けるかも、重大な経営課題です。特に中小企業では開発資金・人材が不足しがちなため、いかに限られたリソースのなかから質の良いアイデアを生み出せるかがポイントです。

◆解決1:イノベーションが起きやすい風土づくり
消費者のニーズが多岐にわたる今、経営者の想像だけで新製品を生み出すのは至難の業でしょう。そこで大切なのは、いかに従業員にアイデアを創出してもらえるかです。そのためには、普段から失敗を恐れずチャレンジできるような企業風土をつくっておく必要があります。例えば、シンボリックな挑戦をした従業員を、四半期や年に一度などのタイミングで表彰するのもよいでしょう。また、目安箱を設置し、経営者への意見や新規事業のアイデアを常時募集するのも効果的です。とはいえ、最初から結果に結びつくことは稀で、むしろ失敗の方が多いかもしれません。モニターなどお客様の生の声を生かしながら、トライアンドエラーを繰り返すなど粘り強い取り組みが必要となります。まずは、イノベーションの起きやすい企業体質を醸成していきましょう。

◆解決策2:外部リソース・オープンイノベーションの活用
資源の限られている中小企業だからこそ、外部リソースを積極的に活用することが大切です。ひとつが、コンサルティング会社の活用です。最近では、新サービスの成功にWebやITの技術・プラットフォームは欠かせません。ただ、ITやDX(デジタルトランスフォーメーション)などの分野は専門性が高く、自社だけでアイデアを出そうとしても難しいものです。だからこそコンサルタントに協力してもらい、デジタル分野の知見やノウハウなどを授けてもらうのも手でしょう。

また、最近では、自社だけでなく研究機関や他社、自治体と協力してビジネスを生み出す「オープンイノベーション」の動きも活発です。特に独自のノウハウを持つ中小企業は、大手企業から連携先に選ばれることが多く、さまざまな成功例があります。取引先のなかから共同開発の相手を探しておくことも、有効な取り組みでしょう。

(5)経営基盤の強化

長期的な視点に立てば、経営基盤の強化も大きな経営課題です。経営基盤が整っていれば、災害や感染症が生じた際も、事業を立て直しやすくなります。また、財務体質が強化されている企業は、金融機関から信頼されやすく、融資も受けやすいです。いずれ後継者へ事業承継することも見据えて、経営の健全化を図っておきましょう。

◆解決策1:貸借対照表のスリム化
会社の資産のなかには、収益に貢献していないものも眠っています。これらを洗い出し、貸借対照表をスリム化することが大切です。例えば、塩漬けになっている土地や株式を売却したり、代わりにリースバックを検討したりしましょう。遊休資産を処分して得た資金を、借入金の返済に充てることもできます。また、製品の過剰在庫も、資金繰りを悪化させる大きな原因です。毎月正しく棚卸しをして、自社の適正在庫を計算するようにしましょう。売れる見込みのない在庫については、管理コストを減らすために、思い切って売却する勇気も必要です。

◆解決策2:事業の選択と集中
経営基盤を整えるには、収益の見込める「コア事業」を見極め、不採算事業からは撤退することも大切です。そのために、まずは自社の事業ポートフォリオを作成し、各事業の収益性や将来性を確かめるようにしましょう。

手法のひとつに、「PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)」があります。縦軸に「市場の成長性」、横軸に「市場でのシェア」を設定し、自社の事業を「花形」「問題児」「金のなる木」「負け犬」の四象限に分ける方法です。成長性もシェアも低い「負け犬」の事業がある場合、思い切って撤退を検討することが望ましいです。限られた資源を効率良く配分し、最大限の利益を得るために、定期的に自社のビジネスを見直しましょう。

自社だけで経営課題を発見・解決するのは難しい?

様々に打開策等の例をあげましたが、大切なのは、まず自社の経営課題に気づくことです。ただ、自社内だけでは、なかなか課題に気づけないケースもあります。また、いざ経営課題が見つかっても、その解決には専門的なノウハウが必要になることも多いものです。その点、外部のプロに依頼し、客観的な視点で経営課題を見極めてもらうことは有効だと言えるでしょう。

当社では、対話を通じて経営者様の悩みを解決へと導く「経営カウンセリング」サービスを提供しています。主観では見極めにくい「根本的な」経営課題を探しだし、本質的なアプローチで解決に向けて伴走します。時代に適応しながら企業を永続的のある成長へとつなげるため、アドバイスをさせていただきます。「経営課題の見つけ方が分からない」「迅速に経営課題を解決したい」とお考えの際には、ぜひ当社までご相談いただければ幸いです。


参考: