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信頼されるリーダーの特徴とは?ー6つの共通する要因

信頼されるリーダーの特徴とは?ー6つの共通する要因

コロナ禍に襲われたこの数年間。経営層やリーダーに求められるものが大きく変化してまいりました。経営の継続・安定、逆境に負けない手腕なども重要ですが、それらを含めてスタッフが期待しているものは『リーダー自身の変化』なのではないかと考えます。当社は、創業以来、「トップが変われば会社は変わる」とお伝えしてきました。月々日々に変化する経済情勢や経営環境にあって、この「変わる」との意味合いが、リーダーに期待する事として益々深いものを表していると感じております。環境や他の人より、先ず自らが「変わる」ことを求められているのが現実なのであろうと思います。

今回は「信頼されるリーダーの特徴とは?」とのテーマについて考えていきたいと思います。

 

1.利害・損得を超えた信頼関係がある

信頼関係は、会社や組織にかかわらず、様々な場面で存在します。たとえば電車やタクシーなどは、約束の時間に安全に移動するという信頼を前提に利用されています。また、会社であれば給料が支給されるという信頼や、頑張れば評価されるという信頼もあります。

信頼関係のなかには、利害や損得を基準とした表面的な信頼関係もあります。上司からの指示に対し「分かりました」というものの、義務感や組織上の指示だからと行動していることもあります。こうした表面的な信頼関係をベースにした会社というものは、経営状態が悪くなるとスタッフの気持ちは離れていくものです。そのような局面になった時には既に手遅れということもあります。具体的には、離職率が高い、顧客からのクレームが多い、不正や不祥事が起きてしまうなどの現象に現れます。

「厳しい状況だからこそ」と団結するような組織には、信頼をより強固にした、利害や損得を超えた絆、つまり『信頼の絆』が存在するものです。そうした、利害・損得を超えた信頼の絆で結ばれた会社組織には、困難に立ち向かう勢いがあり、厳しい状況に負けない強さがあります。厳しい経営環境であっても、信頼の絆があったならば、表面的な信頼関係をベースにした会社組織とは、違った結果になるのではないでしょうか。

 

2.人間的魅力が高い

それでは、『信頼の絆』をつくるには、何が必要なのか? 一言でいうとリーダー自身の「人間的魅力」です。そして、人間的魅力の源はリーダーの信念やこだわりといった「哲学」です。それはリーダーの生き様によって(かも)しだされます。哲学を根本にした人生観、使命感です。そして、スタッフ一人ひとりへの思いの強弱です。

以前、弊社クライアントでこのようなことがありました。スタッフの慰労を兼ねての食事の席で、お開き後に、新婚間もない男性スタッフを呼び止め、店主に予め頼んでおいたお料理を、家で待っている奥様に食べさせてあげなさいと手渡ししたことが有りました。その男性スタッフが帰宅して、奥様にお料理を渡し、広げたところ奥様の大好きな具材が並んでいて奥様が旦那さんに聞いたそうです。「あなたが私の好物を教えたの?」と。当日は、そのような会話はなかったし、帰りに合わせて調理するという事は、もっと前に知っていなければ出来ないこと。リーダーに確認した所、結婚する報告をリーダーにしたときに食事の好みなど聞かれたそうです。皆さんなら、この光景をどのようにお考えになられますか?スタッフとの対話の内容をしっかりと覚えていて対応されたリーダーの人望と言ってしまえばそれまでですが・・・。恐らくその方は、一人ひとりのスタッフとその先に有る家族のことまでも自身の守るべき対象として一念におさめる努力をしていたのだと思います。

人間的な魅力というのは、言葉では表現し難いのですが、スタッフから見て「この人のような生き方をしたい」、「どこまでもついていきたい」、「この人ほど自分のことをわかってくれている人はいない」、「自分を一番大事に思ってくれる」、「この人が言うならば」などと思われるような魅力です。リーダーには、より魅力的に輝く存在になろうという自己成長、自己変革の姿勢が求められます。つまり「何のために生き」、「何のために仕事をするのか」との人生観と使命感を鮮明にし、スタッフ一人ひとりを知る最善の努力と、様々な場面で喜びを提供しつづける努力をすることです。

 

3.一人との絆を大事にしている

この信頼の絆とは、リーダー対スタッフ全員と見えるかもしれませんが、現実的には、一対一(ONEオンONE)です。まずは一人との絆をつくる。そしてまた一人との絆をつくる。一人から二人、二人から三人へと「一対一の絆」を増やしていくのです。一人のスタッフの人生、価値観や家庭などの背景を凝視して、心からの激励をおくる。このように、人間対人間の関係を一人ひとりとつくっていくことなのです。

「目指すもの(事業計画、売上目標、行動指針等)もあり、目的(経営理念)も明確にし、スタッフのことも思っているのに、社内が団結しない」といった質問をいただくがあります。信頼の絆をつくるとは、正確にいうと〝つくる〟のではなく〝自然とできあがる〟ものなのです。相手が感じるだけの強い思いが大切です。思いの強さで強固な信頼の絆が築かれます。思いの強さで一対一の信頼の絆が増えるのです。

利害も損得も超えた、哲学を根本とする生き方が、生き様として表現され、その生き様そのものにスタッフは感応し、共鳴するのです。人間対人間の信頼の絆をベースにした組織を目指していただきたいと考えます。

 

4.噓をつかない・約束を守る

では、人が信頼を築くためには具体的にどのようなことがポイントなのでしょうか?

先ず、相手との間に『嘘』がないことが大切です。そのためには、第一に自分自身に嘘をつかず、自分に対する約束も守ることです。それは、新しくやると決めた毎日の習慣や小さな決め事、あるいは一年間の目標など、途中で放棄しないことです。なぜならば、自分との約束を守れない人は、本人が気づかないだけで、相手との約束も守られていないことが多いからです。言い換えるなら、信頼を勝ち得る多くの人は、自分との約束を守っているものなのです。

 

5.身近なアドバイザーがいる

では、自分との約束を守りつづけるために、何が必要か。結論は一つ。自分を見てくれる指導者、アドバイザーの存在です。プロスポーツの選手がより大きく成長するためにコーチや監督がいるように、トップにも的確なアドバイスをしてくれる身近な存在が必要です。それも故事・歴史の世界でいえば、『三国志』の諸葛孔明や『太閤記』に登場する軍師・竹中半兵衛のように優秀かつ耳の痛いことを躊躇(ちゅうちょ)せずに指摘してくれる人物です。トップには自分の意に沿わなくても、耳の痛いアドバイスを受け入れなければならない時があるからです。

また、人間は自分のことはなかなか見えないものです。信頼を失う自分の変化に自分だけが気づかない、ということは往々にしてあります。だから、そういう姿を客観的視点で判断し、気づかせてくれるアドバイザーが必要になるのです。

青年会議所や商工会議所、ロータリーやライオンズなど、「この人なら」と思う人にアドバイスをもらうのも手です。他にも、各種の経営セミナーに出席したり、経営コンサルティングやコーチングを受けることもそういう人との出会いにつながります。

トップにその気持ちがあれば、意中の人物は必ず見つかります。最近は企業が抱えるさまざまな悩みをまとめて相談できる経営カウンセリングも増えています。必要に応じてこうしたサービスを活用するのもおすすめの解決策です。

当社では、対話を通じて経営者様の悩みを解決へと導く「経営カウンセリング」サービスを提供しています。人材不足に関する相談にも親身にアドバイスいたします。ぜひ現状にお困りの際には、一度お気軽にご相談いただければ幸いです。

 

6.「自己評価」ではなく「他者評価」を重要視している

一方、自分自身、また他者との約束を守りつづけていても、信頼されているかどうかは相手が判断することです。信頼とは自己評価するものではありません。そして、信頼されるには、相手から信頼される言動をしつづけることが唯一の方法です。

昨今、熟年離婚が増えているようですが、それは、「信頼されている」と当たり前に思ってしまい、信頼関係を保つ努力を怠ってしまった結果とも言えます。ビジネスもまったく同じで「信頼関係がある」と思い、信頼関係を築く努力を怠ればいつかは信頼を失うことになります。

信頼ということを突き詰めて考えると、人は相手を信頼するからこそ相手から信頼されるのではないでしょうか。

先ずは、相手を信頼することです。少なくとも、信頼してくれていると感じない人に対しては、「こんなに信頼してくれる人の期待に応えよう」という気持ちは芽生えません。信頼されたいではなく、先ずはこちら側が信頼をすることが信頼関係を築く基本なのです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回「信頼されるリーダーの特徴とは?」とのテーマについてみてきました。まとめると、

利害・損得を超えた信頼関係が有る

人間的魅力が高い

一人との絆を大事にしている

噓をつかない・約束を守る

身近なアドバイザーがいる

「自己評価」ではなく「他者評価」を重要視している

などお伝えしてきました。物価高やコロナ禍による経済状況の難しさはまだまだ続くものと思われます。

スタッフはじめ、周囲からの信頼の絆に応えられるリーダーとして、今こそ一重の奮闘をされることを期待しております。


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