環境の変化に対応するための2つの力―今求められているものは何か?

2020年代に入って以降、ますます世の中全体が激変を続けている中にあって、その中で生きている私たち一人ひとりがどれだけ対応し、変化できているのかを冷静に考えてみる必要があるのではないでしょうか?
変化対応力
変化が激しくなればなるほど求められるのは、ひとつには、いかに「迅速」かつ「的確」に対応できるかという『変化対応力』。さらに重要なのが、所得・地域・情報・世代といった違いによってあらわれている格差社会の問題がある中で、本来誰しもが持っている『ヒューマニズムー人間中心の考え方』ではないでしょうか。
変化対応力は謂わば「能力」を表し、ヒューマニズムは「人格力」とも言えます。先ずは「変化対応力」について見てまいります。
変化対応力①『決意』
そのために必要なポイントとして、大きく『三つの決意』に分けて述べてみたいと思います。
決意その1―向上心
第1点目として、時代がどう変わろうとも学び、自らを高め続ける決意が必要です。言い方を変えれば、向上心、求道心、気迫、信念のことです。分かっていても、決意が伴わなければ何ら変わることがありません。一切は思い、決意で動いているとは、古の賢人のことばです。
決意その2―自分に打ち勝つ
環境がどう変わろうが、そのことに紛動されることなく、自らの弱い心との戦いです。『ある一定時期においては、自分の力以上のテーマに取り組まない限り成長することは出来ない』と言っていた、アンリミの創立者の言葉を思い出します。
決意その3―利他の実践
誰しも状況が厳しくなればなるほど、結果的に自己中心になりがちですし、周囲への配慮が不足しがちになります。それが原因でお客様やスタッフが離れていくことが大変多いものです。だからこそ、ヒューマンスピリッツ(人間中心の考え方)をベースに、人間的な温かさ、心配りが、なお一層求められてくるのだと思います。
変化対応力②『法則』
次に法則があります。いま企業の中で求められている『結果を変える三つの法則』について見ていきましょう。
法則その1―勢いとパワー
一人ひとりの役割分担を明確にした上で、一人ひとりが何に希望を持てばいいのかをはっきりさせていくことです。その中で、日常の仕事の中で〝小さな動機付け〟を大切にして行っていただきたいと考えます。
法則その2―企画力という知恵
知恵は現場にあり。お客様の声を丹念に拾い集めたところが最後には勝つのだといわれています。
法則その3―人格という人間性
リーダーを中心としたスタッフ間の人間性、激励に継ぐ激励で雰囲気をいかに盛り上げていくかが大切なポイントです。
変化対応力③現場への実践・応用とは
ここまでで、「考え方も法則も分かった。しかし現実は難しい」と思われている方もいらっしゃるかもしれません。考え方や法則、哲学を現実化できない要因を改めて考えてみますと、結論的にいえば、学んだ、或いは知った知識や考え方などを相手に使おうとしてはいないでしょうか? 相手に使うとは例えば、「役割を明確にしろ」「現場に知恵の元がある、激励をしろ」と現場のリーダーに指示するのみであったり、スタッフに言いつける。このように、本来は自分に使うべき法則を、結果的に相手に使うと、相手を追及するパターンになり、周囲から嫌われたり疎まれたりして、現場は今まで以上に動かなくなるという状況になってしまいます。では、どのようにしてこの状況を撃破すればよいのでしょうか?このことについてのポイントを参考にあげさせていただきます。
数多く聞き、
数多く実行し
数多く失敗し
数多く反省する
(結果的に、数多く気づきがある)
この「気づき」こそ、自己成長、自己変革のベースなのだといえます。気づき考え方の変化行動の変化結果の変化なのです。その上で、基本中の基本としては、『聞く、やる、学ぶ』の報告・連絡・相談(・確認)をベースに、日々の仕事を通して、やりつづける中にしか、結果の変革がないことを再認識して改めて出発を致しましょう。
弊社カウンセリングテキストの一節を参考にご紹介します。
決して、権力や財力や知力に優れた人という意味ではなくて、どんな時にでも活き活きとした時を過ごし続けている人が本当に素晴らしい人であると感じています。現在の状態にとどまろうとする人ではなく、未来に希望を抱いて可能性を切り開き続けている人こそ素晴らしい人でしょう。そして、生きている間は生きている事実を最大限に活用し続けていきたいものです。
人生の可能性を開くのも開かないのも、全ては『自分の心の決め方一つ』なのです。我々は限りのない可能性を求めるのだと心に決めて、共々に一歩一歩、その事実の現実化をしていきましょう。
次に、「ヒューマニズム」について解説して参ります。
ヒューマニズムの体得
弊社アンリミテッドの研修やカウンセリングの中で常に語られている言葉に『ヒューマニズム・ヒューマンスピリッツ』という言葉があります。これは、何をやるにしても、何といっても人間的なマインド・心が最も大事という意味です。
このヒューマニズムを身につけるには、どんな心構えで事に臨んだらよいのか。体得するポイントはどのようなことなのか。そのポイントを4点にまとめて考えてみました。
ヒューマニズムの体得①―何のため?
会社的にいえば売上や利益の確保はもちろん重要ですが、本来「お客様にご満足をいただくこと」が第一だと考えます。これは、スタッフの立場からいえば、どこまでも、お客様のために自己成長を目指していこう、ということにもつながります。ご満足を提供できる自分たちに成長しよう!ということそのものが目的と言っても過言ではないと思います。
役に立たない“ペン”は“ペン”とはいわない。ここでいうペンは、前者は「形・立場」のことで、後者は「機能・役割」のことです。その形はどのようであっても、お客様、人のお役に立ってはじめて、その機能と役割、使命を果たしたことになるのです。相手の役に立つことが原点であり、働く上での約束です。日常の仕事の中で、何といっても、お客様との“約束を守る”ということを第一義にしたいものです。
ヒューマニズムの体得②―自己確認(セルフチェック)
今、業務上での活動すること全ての結果は、将来においてはプラスの現象と、マイナスの現象とに分かれることとなります。その時、結果がプラスの現象の時、まわりの皆さんのおかげですと“感謝”で捉えることは抵抗少なく可能です。しかし、マイナスの時、自らの“自己成長への追い風”として捉えていくには、自分の中に確かな生き方、考え方(マインドセット)があることが大事になってきます。
しかし、一般的には、とかく結果が良い時には「自分がやったのだ!」と慢心し、うまくいかなかった時は他の「誰々が悪い」と言って原因を他に求める、そんな考え方になってしまうことが多いものです。
我々が目指す“ヒューマンスピリッツ”の考え方は常に“因我にあり”との自分自身をセルフチェックする訓練がベースにあります。また、周囲の人に素直に自分のことを聞くという、非常にシンプルな実践ですが、お伝えしております。自分のことは、自分が思っている以上に知らない・分からないものです。
ヒューマニズムの体得③―エネルギーのルーツ
自分が今、何をめざしているのか。自らの希望とロマンを失ってはいないか?自らの目標に挑んでいるのか、いないのか?未来に対する原因づくりが出来ているのかいないのか?
もし、新たな原因づくりが出来ていないとするならば、自分自身の未来・会社その将来という新たな歴史を残すことはできません。
カウンセリングの中でいただくご質問に「惰性」を抜け出すにはどうしたらいいのか?と聞かれることが度々あります。アンリミの捉え方で言えば、惰性とは自分が成長しているのか・衰退しているのか、前進しているのか・いないのか、何を目指しているのか・目指すものを見失っているのかが、自分では分からない状態と考えております。これでは挑戦のエネルギーが湧くはずが有りません。上記2でも述べたように、自らを見つめ、先ずはエネルギーのルーツを確認することが重要だと考えます。
ヒューマニズムの体得④―訓練
指導されたことに対して、どこまでも言われた通りに実行していくことができたのかどうか。自分自身の実力アップが大切です。この場合、指導されるにあたり、指導してくれた人も大変重要です。自分自身のことを自分以上に知ってくれている存在が理想的です。
社内人材でそのような方が見つかればより良いのですが、最近では、コーチングやスポットコンサルティングなど外部委託のサービスも沢山でています。しかし注意したいのは、すべての外部サービスが有効かというと、そうとも言えません。その際に検討するにあたっては、実績や規模、認知度も大事ですが、対象となる人間理解の深さをポイントにして、コーチング等お選びになると良いかと思います。
以上、4つのポイントを、常に自らの確認する実践、実行の姿勢として確認していただけたらと考えます。
ベースとなるヒューマニズム3つの角度
最後に、そのベースについても少し触れたいと思います。
考え方としての“相手中心”(自分中心となりがち)
見方としての“未来中心”(過去の良かったことにとらわれないよう)
捉え方としての“因我にあり”(他責・自責というより、自らの可能性を見出すため)
このような前向きな心構え(角度)が大事です。この姿勢を改めて再確認し続ける中で、“ヒューマンスピリッツ”の生き方が現実化していくのです。
弊社カウンセリングテキストには以下のような箇所が有ります。
「あの人は輝いているな」と感じる人に出会ったことはありませんか。それは、毎日を活き活きと活動をしている人のことです。そういった人に出会ったときに、その人に負けないくらい輝いてみたいと思ったこともあるでしょう。機会があれば、その人の振る舞いや、やり方をよく見て真似をしてみて下さい。
今までの自分のやり方をちょっと変えてみる。でも、少し自分を変えたくらいでは、しばらくの間は表面上だけ似せることは出来るけれども、本当の輝き方は出ては来ないものです。それは、「生き抜いていく喜びの量」が、実は輝き方の程度なのですから。回りと、組織と、組織の目的と人生のロマンと、両親の偉大さと、未来の豊かさと、今置かれている立場の責任とを知ったときに初めて可能になることなのです。
つまりは、自分と自分のまわりの全てをじっくりと見つめて、その置かれた環境に感謝が出来るようになってきて、冷静な判断が出来るようになると、生き抜いていく喜びが自然に出てくるものなのです。自然に出てきたならば、自然に輝くようにもなるのです。
最後に
今回は「環境の変化に対応する2つの力―今我々に求められていることは何か?」と題し、変化激しい時代様相の中、対応力とベースとなるヒューマニズムの体得についてお伝えしました。皆様の会社や職場、家庭など人間空間がより豊かで前向きなものになるよう心より願っております。
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