スタッフと共に成し遂げたV字回復―アンリミ経営カウンセリング体験談

こちらは、弊社経営セミナーで経営者様に語っていただいた体験談です。
当社は、ビジネスホテルとして今から三十年ほど前にオープンしました。客室は二十五室の小さなホテルです。開業後、しばらくは順調に推移し、毎日満室状態が続きました。しかし、一年を過ぎようとした頃、すぐ隣に規模の大きなホテルがオープンしました。今まで当社を利用していただいていたお客様が、隣に移っていくのにさしたる時間もかかりませんでした。
激減する宿泊者数を何とかしなければと、考えつくかぎりの策を講じました。中にはうまくいく策もあり、稼働率は少しはアップしましたが、資金繰りは好転せず、厳しい状況は相変わらずでした。そうこうしているうち、地元の中心部に更に大きな複合シティ型のホテルがオープン。経営はどんどん厳しくなってきました。
アンリミとの出会い
打つべき手も見当たらず、ホテルを売却しようか・・・などと考え始めたころ、アンリミテッドに出会いました。当時は今と違ってインターネットが無い時代。経営コンサルタントの会社などからも随分とダイレクトメールが送られてきており、殆ど目も通さず捨てていましたが、不思議と一通のダイレクトメールに目が留まりました。それは、隣県で開催されるアンリミテッドのセミナーの案内でした。半信半疑でそのセミナーに出席してみました。そこで見たものは、アンリミテッドのクライアントで働いている社員たちの溌剌とした元気な姿でした。経営者の方を先頭に自信に満ち溢れた姿で、また別の部署の方は、思うようにいかなかった当時を振り返り、涙ながらに体験発表を行っていました。みなさん様々なことに悩まれているのですが、参加者はみんな前向きで、一生懸命に未来を語っていることに、ある種の驚きもありました。誰も楽をしたいとかいう素振りもなく、現場で起こるさまざまな問題にどうしたら良いかと互いに励まし合いながら意見を出し合っているとのこと。アンリミテッドと契約すれば、うちのホテルの社員たちも、いつかはあのように成長してホテルを建て直すメンバーになってくれると期待し契約するに至りました。
経営カウンセリングを開始
スタッフたちがイキイキと、成長した姿になるには、どのように教えればよいのだろうか・・・などとあれこれ考えながら、経営カウンセリングを受け始めました。カウンセリングでは多くのことを学び、自分なりに整理をして、現場で社員たちにメッセージをしていました。しかし、自分としてはそれなりの手応えを感じていましたが、時間は経過するばかりで現場は一向によくなりません。それどころか、以前よりギクシャクするようになってきました。
そのような状態の時です。別の地域で行われたある団体のセミナーに誘われました。そのセミナーは、経営者や上司となかなかうまくいかず苦悩されている中間層の方や現場リーダーのみなさんの勉強会でした。私にとってスタッフの本音や生の声や思いにふれる貴重な機会となりました。家族経営の会社のある後継者さんは、先代や家族から、自分の進めたいことをなかなか理解してもらえないとか、別の現場リーダーの方は仕事上困っていることが有るが、上司には話しづらいし、問題があっても誰も助けてくれないとか。また、違うスタッフの方は、クレームがあっても誰も相談できる人がいないとか、いずれも、職場でもがきながら負けずに闘っている悲痛な叫びでした。そのような方々の声を間近に聞き、私の会社にも、そのように切ない思いで働いている方々がきっといる、そのように切ない思いをさせているのは、トップである私自身なんだと、おぼろげながらも何かをつかむことができました。しかし、実際に私自身が何をなすべきなのかはわかりませんでした。
本当の改革
私自身、現場に入ることもあり現場の大変さもわかるのですが、リーダーとして、自分がどう変わればよいのかがわからないのです。アンリミのカウンセラーから「現場の一人ひとりと面談し、しっかりとスタッフの話を聞きなさい。スタッフの思いを受け止めなさい。話す:聞くの割合を「1:9」で!との指導がありました。一度録音してみたら?とのアドバイスももらい、当時はまだカセットテープの時代。ラジカセを持ち出し録音してみました。帰りの車の中で再生してみてびっくり、殆ど私が話している面談となっていました。それからは、聞くことを意識して、真剣にスタッフと個人面談をするうちに、私の内面の何かが変わり始めました。聞くということの本当の大切さ、上司と部下の関係を超えた、一人の人間対人間としての対話の大切さを感じていきました。そうするうちに、日夜健気に働いていただいている社員に、感謝の思いでいっぱいになり、そんな社員に対して、なんとしても幸せになってほしい、その手助けが何かできないかとも思えるようになりました。
ある時、その抱える問題があまりにも大きく、自身の力のなさを実感し、互いに涙しあっただけの面談となりました。その時です。自身の中で、何かが完全に吹っ切れました。そうだ、私だけではなく、皆を幸せにするんだ、絶対に幸せにしよう、絶対幸せにしてみせる、目的が定まった時でした。
そのためにはまず、自分が変わろう。元気でいよう。最前線に出よう。皆の話をよく聞こう。そして、今まで聞けなかった自身の悪いところを聞いてみよう。そのように腹を決めて、皆と汗を流しました。皆で利益を出せる体質にしようと、経費の削減にも力を合わせました。
皆で智恵を出し合い、あらゆる経費の削減を実施しました。以前、私が一人でシャカリキにもがいていた時はあまり効果がなかったことが、皆で団結してやると、効果も大きく、喜びも湧いてきました。スタッフも家庭菜園でとれた野菜を持ってきてくれたり、自宅でとれた花をロビーに飾ったりして協力してくれました。
結果として、その年は黒字に転換し、2,500万円ほどの経常利益をあげることができ、全額会社負担でのハワイ旅行にも行くことができました。他のホテルが進出してきて、稼働率がみるみる下がり、資金繰りに悩んでいた日々からすると夢のような思いでした。
まだまだ、社員の満足というものにはほど遠いものではありますが、当社の存在意義を社員それぞれのさらなる幸福実現とし、地域のお客様により必要とされる企業を目指し、共々に頑張っていきます。
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