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自己変革が結果を変える~理論で結果は変わらない!

自己変革が結果を変える~理論で結果は変わらない!

いかに業績を上げるか。勢いとスピードで新手を打っていけば業績はよくなるのか。逆に、新たな一手を打てずにいたならば、業績はよくならないのか。どちらもそうとは限りません。多くの経営者が時代の流れや市場の変化を読み取る努力をし、様々な手段や方法を駆使して、試行錯誤されていると思います。一方で人間関係や取引先との関係性によって、思うように手を打てずにいる方もいると思います。

 

理論(哲学)で結果は変わらない

世の中には成功哲学などの名著が沢山あります。代表的なものとして、

『原因と結果の法則』 ジェームズ・アレン著

https://www.amazon.co.jp/dp/4763195093/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_HNSYFNHNT7NAPB3MW8YF

『人を動かす』 デール・カーネギー著

https://www.amazon.co.jp/dp/442210098X/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_YT7WH3G26Z2Y17HHZ3PC

『7つの習慣』 スティーブン・R・コヴィー著

https://www.amazon.co.jp/dp/4863941013/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_J1AMCD6N2DE6VG45D08Z

等々

では、成功哲学を学べば業績はよくなるのか。実は、哲学(理論)で業績はよくなりません。正確にに言うならば、成功哲学を学ぶだけでは良くなりません。問題は、どれだけ成功哲学を我がものにできたのか、その一点です。成功哲学とは自己変革の哲学です。成功哲学を、どれだけ学んでいても自己変革がなければ業績はよくはならないのです。

企業経営において業績が好転しない要因は様々にあります。先代社長やオーナーへの遠慮や業界の慣習などで身動きがとれなくなる、改善のスピードが遅い、スタッフの能力が乏しい、スタッフが言うことをきかない、社内がバラバラ、セクショナリズムが強い、ほかにも多くの理由があげられることでしょう。しかし、これらのことすべては、特にトップリーダーの自己変革の不十分さが現象となって表れているにすぎません。弱さやエゴ、本気さ、ヒューマニズムの欠如、等々、トップの使命感、人生観、人間観が表れているのです。現象は様々にありますが、会社をよくする答えは一つ、それは、自己変革です。

換言すれば、トップリーダーが自己変革している会社がよくなっているともいえます。経営現場で先ずやるべきこと、それは、現場改善でも、スタッフ育成でも、顧客を惹きつける企画でもありません、先ずは、成功哲学(考え方)を我がものにする努力をすることです。トップが自己変革に努める、その分だけ現場が結果を変革してくれるのです。

 

自己変革の中身

弊社とカウンセリング契約しているある会社社長が次のように言っていました。

『「スタッフが成長しない」と相談すれば、「そういう社長(上司)は成長しているのですか?」

「スタッフが言うことを聞かない」と嘆くと、「聞けないようにしているのは社長(上司)なんじゃないですか」といわれてしまう。そう聞かれたとしたら、正直、何も言えなくなります。けれども、自己変革の戦いは、そこからはじまるということに後々気付きました』と。

ここで言う自己変革とは、成功哲学の実践と体験を通して、どれだけ確信を深めることができるのかということです。同じ成功哲学を学びながらも人によって結果が違う。それは、哲学に対しての取り組み方と、それにともなって得た確信が違うからです。その違いが、結果の違いとなっているのです。

とはいうものの『そうは言っても現実は・・・、これ以上やっても・・・』等々、迷いは生じるものです。また、愚痴、(ねた)み、慢心(まんしん)躊躇(ちゅうちょ)など、沸き起こってくる感情との葛藤もあります。これら、揺れ動く思いに対し、私どもではヒューマニズム(人間を大事にする考え方)を哲学根本に生きようとする、その繰り返しを粘り強くお伝えしています。思うようにいかないことと、考え方に立ち返り実践へと昇華する。この継続、持続が自己変革の戦いです。

あるいは、目の前の数字に心を奪われたり、一時の業績アップをすることで方法論優先になり、哲学を見失うこともあります。どこに一念を定めるのかで、未来は変わってきます。たとえばアップル創業者であるスティーブ・ジョブズは、一時倒産の危機に見舞われたところから飛躍的な成長を遂げ、1兆ドル企業にまで再建しました。一度は経営陣から追い出されたものの、その後請われて復帰。アメリカ最大の企業にまでなりました。そこには、目先の成功だけではなく「本質的な成功」をおさめるため「自分たちが誰なのか」「顧客に何を提供できるのか・提供するのか」という問いを強烈な情熱で貫いた結果だと言われています。もし、ジョブズ氏が、追放されたことを嘆き、恨み、落ち込んだままだったとしたら、今のアップルはおそらく無かったことでしょう。

 

これは、私たちも同様で、その時々の思いの強弱でまったく違ってきます。そしてその思いは自分持ちです。我々アンリミテッドでは、ヒューマニズムの哲学、自己変革の哲学で生き抜く、そこに一念を定めます。哲学を学べば結果は変わるのか?変わりません。哲学は、結果を変えるための道具ではありません。しかし、哲学を実践し自己変革した分、結果的に会社はよくなります。先ずは一人、気がついた貴方自身が変革の主体者です。自分が変わった分、会社は変わります。それが会社を(よみがえ)らせる要諦です。次の章では、考え方を学んだうえでどう自分が変わっていったら良いのかに焦点をあてて見ていきたいと思います。

 

自身を成長させるための課題とは?

新たに変革に挑むにあたって、課題や目標が明確になっていれば、力強く前進できます。しかし「課題を明確にすること」、「課題を鮮明にすること」。それが、実はとても難しいのです・・・、との質問を受けることがあります。よく話を聞いてみると、どうも欠点やマイナスのことに、ついつい目を奪われているのではないかと感じます。

先日も、「自己成長の〝課題〟は何か」という悩みなら良いけれども「自己成長するために改善すべき〝欠点〟は何か」という考え方になっていた方が居られましたので、それは違うと申し上げました。

欠点と課題は違う

皆さんのなかには「課題」という言葉を聞くと、自分の欠点や短所を克服したり、少しでも欠点や短所をなくそうと努力をする、それが「課題」だととらえる方も多いのではないでしょうか。それは悪いことではありません。しかし、欠点や短所を取り除くことよりも、自分の長所を伸ばすこと、自分ならではの個性を発揮すること、それを「課題」としたらいかがですかと申し上げたいのです。

自分のマイナス部分をなくそうとするより、プラス部分に光を当て、自分らしさや個性を発揮する。つまり「課題」の見方・とらえ方を変えれば良いのです。発想を転じ、自分の得意なことを伸ばすととらえれば、積極的に取り組めるでしょう。自分の長所を伸ばし、個性を発揮するほうが誰でもやる気が出るし、仕事の現場ではこうしたプラス部分を全面に出して勝負してほしい。それが自己変革につながっていくからです。そして自分のプラス部分を伸ばし、増やしていくと、相対的にマイナス部分は減っていきます。これを貯金と借金にたとえると、貯金が増えれば、借金が減っていくのと同じです。

会社でもプラス部分を打ち出せ

長所を伸ばし、個性を発揮するという意味の「課題」は、個人だけでなく、会社や組織でも同様です。たとえば、タブレットの代表的商品iPadはアップル社の得意とするマルチタッチパネルの液晶画面を搭載しています。すでにヒット商品となっているアイポッドの写真、ビデオ、音楽再生の特長に加え、電子書籍リーダー機能を標準装備し、これが米国でも、そして日本でも、大ヒットした要因でした。また、今年2022年に残念ながら他界されましたが、サッカー日本代表・元監督であったオシム氏は「俊敏な日本人らしさを活かして走れ。そして、走りながら考えろ」と指導しました。欧米の選手と比較して、体格や体力の不足を嘆くのではなく、もともと日本人が持っている個性を活かし、それを発揮することが大切だと述べたのです。

ヒットしない、あるいは思うような結果が出ないと、リーダーはマイナス部分に目を奪われて、それを減らそうと考えてしまいますが、それは違います。長所、個性、得意な要素といったプラス部分に光を当て、その会社らしさを発揮すべきではないでしょうか。欠点や短所だけにとらわれて、長所や大切な個性まで失うことは残念なことです。例えるならば、Aの人間がBの人間になるのではなく、Aの人間がスーパーAになれば良いのではないでしょうか。それは結果的に、長所も短所も活かすことになると思うのです。人間が変わるとは、そういうことではないでしょうか。個人においての「課題」も、会社にとっての「課題」も、それぞれの長所や個性を発見することであり、さらにはそれを社会に提供していくことです。

欠点や短所に目をつぶれと言っているのではないのです。長所や個性の発見が、会社の存在価値の追求という本来の課題へと昇華され、その追求こそ、止めることはできないのです。

以上のような取り組みを進める中で、様々な「壁」に突き当たることはごく自然なことでもあります。今までと違った考え方や方法をすれば、違った結果が出て思い悩むのは当然です。次に、そのような実践への障壁と乗り越え方について学んでいきます。

 

自分を変える考え方を実践する現実の壁

正しい考え方や経営や生き方の哲学を学び実践していて、原因を自分に求め、相手中心に考え、スタッフ第一、お客様最優先と心掛けているにもかかわらず、正しい考え方と現実のはざまで〝そうはいっても〟と心が()えてしまうようなことはないでしょうか。たとえば、スタッフとの価値観のギャップや、なかなか好転しない業績や資金繰り、等々。所謂変わらない現実です。

確かに、哲学に間違いはないとしても、現実には様々な思いが、その時々に湧き起こってくるものです。調子が良いときには有頂天になり、悪いときには愚痴の一つもこぼしたくなるし、不満も言いたくなる、嫌なことは嫌だし、逃げたくもなります。そもそも、人間の生命構造そのものがいつも不安定なのです。何かの縁に触れて生命は常に揺れ動いています。相手を責めたくなったり、儲けを優先したり、問題を避けたくもなる。私が思うに、それが人間なのではないでしょうか。

私どもがカウンセリングでお伝えしている『アンリミ哲学』は、平たく言えば「因、我にあり」という原因を自らに求める捉え方、相手のお役に立つ、相手のベネフィットのためとの「利他スピリッツ」という考え方、「ヒューマニズム/人間優先」の見方を基本とする実践哲学です。では、哲学を実践すれば、時々の感情に揺れないのかといえば、そんなことはありません。感情が揺れ動かなくなったら、それはおかしいことです。私たちは生身の人間です。よくないと分かっていても、やってしまうことも当然あります。

しかしそれはそれとして反省をし、自身のなかで(つぐな)いというか清算をして、次はよい方向にいこうと決意し直す。また、哲学を軸にしていても、問題がなくなることはありません。むしろ、成長すればするほど、見えなかった問題が見えるようになり、周りの欠点が見えるようになってくるものです。

 

自己変革とは自身の〝生命構造〟に対する挑戦

弊社アンリミテッド創立者は、アンリミ哲学は『生命構造に対する挑戦なんだ』と言っておりました。原因を外に求める生命構造に対して、「因、我にあり」と捉える挑戦。自分中心に考える生命構造に対して、「利他スピリッツ」で考える挑戦。安易で簡単なほうを選び嫌なことを避けようとする生命構造に対して、大変なほう、嫌なほうを選ぶ挑戦です。そうなる、ならない、そうできる、できないではなく、「挑戦」なのです。なにも、私たちは聖人君子を目指しているのではありません。何があってもにこやかに受け止め、常に相手のことを思いやる、そういう生き方はとてもできないかもしれません。自分中心で不安定な『生命構造』を変えることはなかなか難しいことです。そういう意味で、私たちに信頼を寄せて下さる企業経営者の皆様、スタッフの皆様は偉大な挑戦をしています。この挑戦を何度も繰り返し、経験と失敗を積み重ねるなかで、失敗する回数が減っていくのではないでしょうか。それが人間的な成長ともいえます。

確かに、挑戦の過程では、誤解を招くこともありますし、一時的に人間関係がこじれることもあるかもしれません。しかし、失敗しないことがよいことではありません。たとえるならば、スキーは上達する過程で必ず転びます、上達しても転ぶことはあります。転んだぶん、上手になるとも言えます。転ばない簡単な斜面を選ぶこともできますが、それでは上達しません。上達するには、転ぶことを(いと)わず、難しい斜面に挑戦することです。

 

最後に

哲学を実践していても、すぐに結果がでるとは限りません。世の中は思うようにいかないことばかりです。けれども、失敗したぶん成長すると信じて、挑みつづけたいと思います。哲学は、悪いことを責めるためのものではありません。自身の生命構造に挑戦するためのものです。(あきら)めず、自身の可能性を信じていきたいと日々クライアントの皆様から学ばせてもいただいています。


≪自分が変わるための参考記事≫

自己変革に挑戦―自分が変わる3つの視点

自己変革のポイントー自分を一番分かっていないのは自分自身である

リーダー自身の自己変革ー正しい自己認識がポイント

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