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後継者不足の解決策とは?経営者がとるべき「4つ」の行動を紹介!

後継者不足の解決策とは?経営者がとるべき「4つ」の行動を紹介!

日本では、中小企業の約6割が後継者不足といわれています。「将来の事業承継を見据えて、一刻も早く後継者を見つけたい」と悩む経営者の方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、後継者不足の原因と解決策を分かりやすく紹介します。そのうえで、経営者が今とるべき行動も解説しますので、参考にしてみてください。

※事業承継の全体像について知りたい方は、「【保存版】事業承継とは?円滑に行うための流れやポイントをわかりやすく解説!」も合わせてお読みください。

日本における後継者不足の現状とは?

後継者不足が叫ばれる日本ですが、実態はどのような状況なのでしょうか。
ここでは、東京商工リサーチの調査(※)を参照しながら、後継者不足の現状について紹介します。

※参考:2020年「後継者不在率」調査|東京商工リサーチ

(1)全体で「約57.5%」が後継者不在

調査によれば、2020年における企業全体での「後継者不在率」は約57.5%を記録し、前年と比べ約1.9%上昇しました。実に“6割”近い企業が、後継者不足の課題を抱えていることが読みとれます。また、2020年1~10月における「後継者難」での倒産は301件にものぼり、前年比47.5%と大幅に増加しました。都市部より人口減少が顕著な地方においては、後継者不足がさらに顕在化する可能性もあり、地域活力の喪失も問題となっています。

(2)60代の「40.4%」が後継者不在

事業承継や後継者の育成には長い年数がかかるため、早めの動き出しが必要です。ちなみに代表者の年代別に後継者不在率を見ると、50代「63.4%」、60代「40.4%」、70代「29.12%」、80代以上「23.51%」という結果になりました。60代で10人中4人、80代以上でも4人に1人が後継者不足の現状に直面していることになります。

(3)後継者不在の企業は「未定・検討中」が約53.7%

後継者のいない企業は、今後どのように対応を行っていくのでしょうか。調査によれば、後継者不在の企業のうち約53.7%が、今後の承継希望先について「未定・検討中」と回答しています。つまり約半数が、今後の事業承継についての方針を明確にできていない状態です。ちなみに「後継者あり」と答えた企業の承継予定については、同族承継が「約67.4%」、内部昇進(従業員への承継)が「約17.2%」、外部招聘(しょうへい)が「約14.9%」という結果でした。

後継者不足の原因とは?

全国で顕在化している後継者不足ですが、そもそもの「原因」とは何なのでしょうか。
ここでは、時代背景も踏まえて大きく3つを説明します。

(1)少子高齢化

少子高齢化に伴い、働き手となる若手・中堅世代が減っていることも大きな原因です。内閣府の調査(※)によれば、1950年(昭和25年)時点での人口比率は、65歳以上1人に対して現役世代(15~64歳)が「12.1人」という状況でした。ただ、2015年には65歳以上1人に対して、現役世代がわずか「2.3人」となっています。そもそも後継者候補の母数が減っているため、事業承継が難しくなっているのも必然と言えるかもしれません。

※参考:第1章 高齢化の状況(第1節 1)|内閣府

(2)将来への不安

最近ではテクノロジーの進化や国際競争の激化によって、経済や社会が目まぐるしく変化しています。昨年まで新しかったビジネスモデルが、今年にはもう古くなっているという状況も珍しくありません。さらに昨今では、新型コロナウイルスによる企業の倒産も相次いでいます。また、最近の若手・中堅世代は、バブル崩壊やリーマンショックなども経験し、社会の不安定さを目の当たりにしてきました。こうした先の読めない社会情勢だからこそ、「リスクを背負ってまで事業を継ぎたくない」と考える人材も増え、後継者不足が一層加速しているのです。

(3)価値観の多様化

従来は「親の会社は子どもが継ぐ」という価値観が、広く浸透していました。ただ、ライフスタイルや働き方が多様化することにより、職業選択の在り方も変わりつつあります。子どもから「自分の好きな仕事をしたい」と言われたら、親としても無理に自分の会社を継がせるわけにはいきません。今までのように親族内承継が当たり前ではなくなった結果、社内外での承継先選びが難航し、後継者不足に陥ってしまった企業も珍しくありません。

後継者不足の解決策とは?

後継者不足を解決するためには、視野を広げ、さまざまな承継先を検討することが必要です。
ここでは、後継者不足の解決策として、事業承継の方法を3つ紹介します。

(1)親族内で後継者を探す(親族内承継)

解決策として最初に想定されるのは、息子や娘、配偶者など親族内で後継者を探すことです。親族内承継の場合は、よく知る人物に事業を託せるため、経営者自らが安心感を得やすいのがメリットと言えるでしょう。また、外部の人間に承継させるのと比べると、従業員や取引先からも納得してもらいやすいです。さらに、親族であれば普段から連携を図りやすく、経営者自身が目をかけて後継者として育成しやすい点も魅力だと言えます。

一方で、後継者に経営スキルや素養が必ずしもあるとは限りません。仮に経営者としての才覚が備わっていなかった場合、承継後に事業が傾いてしまう恐れもあります。また、親族内承継は「株式譲渡」で行われることが一般的で、方法としては生前贈与・相続・売買のいずれかです。ただ、生前贈与なら贈与税、相続なら相続税がかかり、売買なら相応の購入資金が必要になります。後継者の金銭的な負担も、デメリットと言えるでしょう。

親族内で後継者を探す場合には、できるだけ早めに本人へ意思確認をし、資金面での相談にも乗っておくことが大切です。また、親族間でのトラブルに発展しないよう、ほかの親族とも話し合いを進めておくようにしましょう。

(2)従業員や外部の人材から後継者を探す(親族外承継)

親族内に後継者の候補がいない場合は、従業員や役員のなかから後継者を探すという選択もあります。社内の人材に承継を行う場合、親族内承継よりも選択肢の幅が広がる点がメリットです。また、長年勤めてくれた人物を後継者に選ぶことで、理念やビジョンも引き継ぎやすく、承継後に大きく経営方針が変わることもないでしょう。

ちなみに社外から後継者を選び出す、外部招聘(しょうへい)という手法もあります。親族内・社内より幅広い選択肢から人材を選べるため、より経営センスのある優秀な人材に継承し、事業を発展させてもらえる可能性もあるでしょう。

一方で、こうした親族外承継の場合でも、株式譲渡における資金面での負担は大きいです。後継者候補に十分な資金力がなければ株式を購入してもらえず、承継が難しくなるでしょう。また親族外承継では、個人保証(融資において代表者個人が保証人となること)の引き継ぎが難航するケースもあります。親族外の人材に事業承継する際にも、できる限り早めに候補者と接点を持ち、育成や資金面での調整などを進めておく必要があるでしょう。

(3)M&Aで後継者を探す

最近では、親族内外で後継者が見つからないケースも多く、M&Aによる事業承継も注目を集めています。M&Aによる事業承継とは、会社の経営を別の会社に委ねることです。他社に事業を引き継いでもらうことで、後継者不足を解決できるのはもちろん、従業員の雇用や取引先との関係も守ることができます。また、買い手企業とのシナジー効果を期待でき、場合によっては事業をさらに飛躍させられる点もM&Aのメリットと言えるでしょう。

一方で、M&Aで事業承継を行うためには、そもそも他社から「買いたい」と思われるような企業でなければいけません。そのため、企業としての魅力をうまく発信できないと、買い手企業がなかなか見つからず承継まで時間がかかる可能性もあります。また、買い手企業によって企業風土や雇用条件が一新され、従業員の不満や大量退職につながる恐れもあるでしょう。M&Aによる事業承継では、入念に統合作業を進める姿勢が欠かせません。

経営者がとるべき「4つ」の行動とは?

ここでは、後継者不足を解決するために経営者として意識すべきことを、大きく4つ紹介します。

(1)できるだけ早めに後継者の育成に取り組む

優秀な後継者がどこからか現れてくれるのが理想ですが、なかなか現実的ではありません。だからこそ、はじめから優秀な人材に事業承継するのではなく、経営者自ら後継者を優秀に育て上げる姿勢も大切です。自分が目をかけて育てた後継者ならば、企業理念や経営方針も深く理解してもらうことができ、より安心して事業を託せるでしょう。ちなみに中小企業庁の調査(※)によれば、後継者の育成期間は多くの場合「5年以上10年未満」の年月がかかります。そのため、最優先事項として後継者探しに取り組み、育成に取りかかる姿勢が必要です。

※参考:中小企業白書 2014年版 第3章|中小企業庁(PDF)
※後継者の育成方法について詳しく知りたい方は、「後継者に求める資質とは?事業承継における後継者の選び方・育て方」の記事も合わせてお読みください。

(2)企業価値を高め、社内外へブランディングしておく

後継者を見つけるためには、社内外の人材に「継ぎたい」と思ってもらえるよう、普段から意識的に企業価値を高めておくことが大切です。例えば、「財務状況を見直して、経営を健全化させる」「労働環境を整備して、従業員の働きやすい会社にする」など、さまざまな角度から企業価値は高められます。また、自社の強みを正しく理解し、ホームページやSNSなどのメディアで社外へブランディングしておくことも重要です。企業やサービスの認知度が高まっていれば、M&Aで事業承継を目指す際にも、選んでもらえるチャンスが高まるでしょう。

(3)公的機関・民間のマッチングサービスも活用する

公的機関に一度相談してみるのも、有効な手段です。例えば、独立行政法人の中小機構(中小企業基盤整備機構)が運営するサービスに「事業承継・引継ぎ支援センター」があります。同サービスでは、全国47都道府県の事務所で事業承継のアドバイスや情報提供をしてもらえるだけでなく、データベースで買い手企業とのマッチングも図ってもらえます。また、同じく中小機構の運営する「よろず支援拠点」では、後継者探しにとどまらず幅広く経営の相談に乗ってもらうことが可能です。営利目的ではない公共サービスだからこそ、気軽に利用できる点がメリットだと言えるでしょう。

また、最近ではM&Aのマッチングサービスを展開する民間企業も増えてきました。サービスを活用することで、Webプラットフォームで買い手企業の候補を見つけられたり、買い手企業から直接オファーを受けられたりします。公的機関とは違って報酬が発生することもありますが、なかには売り手企業が無料のサービスもあります。多くの人材や企業と接点を持てる可能性があるため、事業承継のチャンスを広げるという意味で有効でしょう。

(4)専門家へ相談する

後継者選びや事業承継には、専門的な知識やノウハウが必要です。だからこそ、困ったときには専門家に相談してみるのもひとつの方法でしょう。例えば、事業承継に詳しい弁護士や税理士、金融機関、経営コンサルタントなどが代表的です。専門家に相談することで、後継者選びや人材育成、事業承継の手続きまで一貫して支援してもらえるケースもあります。事前に相手の専門領域をよく確かめたうえで、相談してみることをおすすめします。

後継者不足の解決に向けて、プロに相談することも有効

後継者不足は、さまざまな環境の変化のなかで起きてきている社会的な問題です。だからこそ、経営者がひとりで抱えて悩んでもなかなか結果につながらない場合が多いものです。状況によっては、社外のプロを積極的に頼る姿勢も必要だと言えるでしょう。

ちなみに当社では、経営者様の悩みを解決へと導く「経営カウンセリング」のサービスを提供しています。経営者様との対話を通じて、社内の状況や従業員との関係性などを正しく把握。そのうえで、豊富な実績と知見を活かし、後継者探しに向けて本質的な対策を講じます。後継者問題にお悩みの際は、ぜひお気軽にご相談ください。


参考: