事業改革の本質~改革を成功させるポイントは?~

「このままではいけない!」「何とかしないといけない!」「今こそその時!」・・
事業改革に取り組むきっかけや計画は、企業それぞれにおありのことと思います。あるいは常日頃より改革をし続けている企業、組織もあります。経営改革・組織改革・働き方改革・政治改革・行政改革等々。
「改革」との意味を調べてみますと・・従来の制度などを改めてよりよいものにすること、改め変化させる・・等と載っております。
「そもそもなぜ改革が必要なのか?」その背景から考えてみたいと思います。
「組織改革を成功させる“4つ”のポイントとは?具体的な手法・プロセスも解説!」も合わせてご覧ください。
価値観の変化
時代(時)は常に変化しています。変化の連続であり、待ったなしです。時代の変化に伴い、実は人の『価値観』も変化し続けています。世の中に価値提供をすることが企業の存在意義とするならば、時と共に変化する価値観にそった商品提供(変化・進化)が求められるのは当然の事です。人の生活に必要なライフラインや情報、食料、物、サービス・・などあらゆるものがよりよくなる方向へと変化し続けています。それらを享受する中で私たちの価値観も更に変化し続けているのだと考えます。
例えば、電話。昔は携帯電話がなく、公衆電話があちこちにありました。そして、ポケットベルが登場し、大きなバッテリーを持ち歩いての携帯電話へ。この10年ではスマートフォン・・そして高速で大容量の通信ができる5Gの時代がやってきます。
昔の常識が、今の非常識・・ということもあります。昔はどこでも煙草を吸えました。電車やバス、飛行機でも。今ではそれは非常識・・・と、例をあげればきりがないほどです。
また、時代(時)とは別に、私たちを取り巻く自然環境の変化もあります。予想もしていない自然災害。細菌・ウィルスなどにより生活環境・価値も大きく変化せざるを得ません。
目的の共有と意識改革から
だいぶ話がそれましたが、私たちを取り巻く時代の流れや環境の変化をしっかりと捉えること。表層の事象現象ばかりではなく、底流を見定めることが大事です。その上で、求められる事業改革のポイントは何か?それは、「改革がなぜ必要なのか?何のために改革をするのか」との『目的の共有』が先ずもって大切であると思います。自社の利益のみならず、人々のよりよい生活のため・・との大きな目的(大儀)の共有をすることからスタートすべきだと私たちは考えます。それは、改革を実行するスタッフ一人ひとりの『意識改革』からスタートすることが成功のポイントだからです。
「社員の意識改革を成功させる方法とは?経営者目線でのポイントも解説!」もあわせてご覧ください。
急所となる2つの角度
次に、事業改革を実際に推進していく上で・・
①変えてはいけないもの ②どんどん変えるべきもの
との2つの角度があると考えます。
① 変えてはいけないもの・・これが前述した「何のために変えるのか・なんのための事業か」という『目的観』であり、「人々の生活をよりよいものにするため」との本質です。そして、ここで言う『人々』とは、具体的に事業改革を推進するスタッフであり、お客様でもあります。総じて『人を大事にする考え方』となるでしょうか。
変えてはいけないもの=『人を大事にする考え方』
② どんどん変えるべきもの・・これは事業改革を推進する具体的な実践項目です。商品です。企画です。やり方です。方法、手段・・・行動です。
どんな企業においても改革の実行は簡単なことではないでしょう。時には失敗もありますし、計画通りにいかないことや、歯を食いしばって踏ん張らないといけないときもあるでしょう。それでも粘り強く、諦めずに「これでだめならこのやり方は?この商品は?この企画は?」と、どんどん前へ進む。
一方で、改革のフェーズ以外でも、現場において進捗や成果がマイナスな時や組織においては、関わるスタッフへのケアやフォローが大切です。励ます、応援する、手伝う、聞く、相談にのる、教えてあげる、皆で考える・・等々、先に上げた『人を大事にする考え方』の実践です!一見すると、それは、甘やかすことやわがままを通すことのように感じたり、自分勝手を許したり、何でもスタッフの意見を通すこと・・と誤解されるかもしれませんが、そうではなく、本当にその本人を大事に思えば、あえて厳しく伝えることも、課題に向き合わせることも、大事にすることに通じます。
改革の実践現場は辛く厳しいものです。だからこそ、目的観・考え方が大切となり、一人ひとりの支えとなります。トップリーダーをはじめとする幹部スタッフの振る舞い・言動が、最大の事業改革の本質である・・とも言えるのではないでしょうか。