人材確保・離職防止対策/どうすれば社員が定着するのか?~採用から定着までのポイントは?

離職の増加、人材不足、人材難、社員の高齢化など、人に関する課題は、じわじわと企業経営を圧迫していきます。少しでも早い対応が求められますが、対策を講じても、効果が出るまでに時間がかかることも実際にはあります。
今回は店舗経営をされている方や小規模事業者の会社様を想定して、採用から社内定着を促進するためのポイントを考えて参ります。大企業などでも勿論当てはまる点もあると思いますのでご参考いただけたら幸いです。(2022年12月22日更新)
人材採用面接での取組み/会社が大事にしていることに対する納得と共感
先ずは、採用面接時のポイントをご紹介いたします。皆様の会社では、恐らくこれまでも、前向きで、明るくて、素直で、やる気のある人・・・つまり有望な人材と見込んで採用してこられたことと思います。にもかかわらず、社員が定着しない、すぐに辞めてしまう、そんな悩みを抱えているとしたら、必ず何らかの原因が隠されていると考えます。先ずは採用面接においての具体的な方策を考えてみましょう。
結論から言えば、「会社やお店の姿勢や大切にしていることへの納得と共感を得ること」が重要なポイントとなります。入社面接のやり方は従来のスタイルを続けて行きながらも、一つだけ最も大切なチェックポイントを付け加えていただきたいと思います。それは・・・"人を大切にする考え方”の重要さを感じてもらうこと。そして、周囲の人とその考え方を共有していくこと、継続していくことを約束できるか否かについて確認いただきたいと思います。
一見、採用と何の関係が有るのか?と感じるかもしれませんが、実は、その後の定着(職場に馴染むこと)や能力の発揮などの組織への影響を考えた時に大事なポイントとなっていきます。ごく当たり前の基本的な考え方ですが、この当たり前を実践できるかが重要なことなのです。ここでいう、人を大切にする考え方とは、
・相手(周囲)の人に対して言葉づかいに気をつける。
・相手(周囲)の人が困っている時は協力をする。
・相手(周囲)の人に対していつも心配りをするよう心がける。
といった、ごく基本的なことを確認いただきたいと思います。
相手に対して尊敬する心を常に持ち、相手の立場になって考え、行動し、生きていくという、人間として最も大切な根本を身につけていこうと決めることなのです。誰しも言葉使いや人間関係は大事にしようと心掛けているものですが、実際にできているかどうかとなると全く別問題です。この基本的なことが出来ていない現場はまだまだ多く見受けられます。また、当然出来ているであろうと思い込んでいた・・というケースも少なくありません。人を大切にする考え方は、経験や立場に関係なく社内に浸透していなければなりません。だからこそ、常日頃からの社員(社内)教育の大事さがクローズアップされてくるのだと思います。
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採用時の話に戻りますが、例えば、面接ではこのように話すこととなるでしょう。
「我社は待遇も他社に比べて決して良いとはいえないかもしれません。でも、そんな我社でも、一つだけ、大切にしている事があるのです」
「まだまだ私たちは未完成ですが、どうせ同じ仕事をするのなら、人を大切にする考え方のもと、社員のみんなと働き、協力し合っていきたいし、そういう人と苦労を共にして、励まし合いながらやっていきたいと私(自社)は考えています」
「これは考え方の問題ですので強要はできません。ただ、私としては、私のこの思いに賛成してくれて、自らも取り組むと約束してもらえる人と一緒に仕事をしたいのです」
「その上で、私と約束が出来るかどうかは貴方(就職を希望してきた人)に決める権利があります」と本人に決めてもらうことが大切です。
事実として、お金にこだわって入社した人は、給与が原因で辞めていくものですし、また、キャリアにこだわって入社した人は、仕事内容やポジションが自分の希望に合わないと感じた時に辞めていくものです。そして、これらの要因は時代状況でどんどん変わることであり、目に見える明らかなことです。もちろん、定期的なONEオンONE(個人面談)を継続したり、労働環境などの改善を日々行っていくことは大事なことです。その上で、目に見えない、最も根本的な考え方(社としての目的、大事にしていること、行動指針等)に魅力を感じ、入社してきた方々は、トップ(会社)が考えを変えない限り、安心して頑張っていくことが多いものです。トップやそこで働く方々がそのような姿を目指して日々挑戦しているか否かがとても大事であり、この基本的な考え方が影響することを再確認していただきたいと思います。
離職の原因/辞めていく本当の理由は何なのか
仕事がきつい、残業が多い、給料が安い、休みが少ない、合わない人がいる・・・スタッフが辞めていくときには、様々な理由が有ると思います。しかし、どんな理由を挙げたとしても、本質的には、その会社が本人にとって魅力が無い、楽しくなくなったときに職場を去るのではないでしょうか。業界によっての比率の違いはありますが、離職率がもし高いとしたならば、会社に或いは仕事に魅力を感じられていないというのが原因かもしれません。人は学歴も年齢も男女もなく、明るいところ、楽しいところ、優しい人のところに集まってくるものです。今の職場の雰囲気に注意してみてください。明るさ、楽しさ、優しさが欠けてきたときに求心力が下がって要注意になります。
したがって、職場をあずかる上司、特にトップの方は「我が社に、職場に、明るさ、楽しさ、優しさがあるのかないのか?今どうなっているのか」を日ごろの大切なチェックポイントにしていただきたい。弊社のカウンセリングの中でよくお話しする内容として、トップ或いは幹部の集う会議体の中で、元気が無いスタッフ、気になるスタッフはいないかを毎回確認してほしいとお伝えすることが有ります。上司や同僚の中に、自分のことをよく分かってくれている存在が上司や仲間に居るかどうか。労働条件の良し悪しよりも、実は本人の状態(エンゲージメント)に影響します。それは、結果として企業の業績にも形として現れてくるものです。昨今の厳しい状況下では、益々、人材獲得の競争を強いられます。採用活動は地方において益々難しい状況が続くことが予想されます。そんな中、社内にあっては、互いに助け合い、励まし合い、声をかけあえる職場を、会社を目指していきたい。
弊社アンリミテッドクリエーションでは、「なかなか思ったような採用活動ができていない」「若手人材が長続きしない」といった経営者の方々のお悩みに対し支援して参りました。『離職が大幅に減り定着率が上がった』『有望な若手人材が毎年入社するようになった』などの事例も生まれています。ぜひこの機会に、弊社サービスをご活用いただけたら幸いです。
≪採用・人材確保に関した更なるお役立ちコンテンツもご覧ください≫ 深刻化する人材不足、企業への影響と取り組むべき課題とは
中小企業の7割が人材不足の状態といわれています。少子高齢化による若い世代の労働人口の減少に加え、有効求人倍率が高いことや介護のための離職なども相まって職場への定着は難しくなっていくことが予想されます。リソースが限られた中小企業にとって、如何に採用活動を成功させ、職場定着を進めることができるのかは、社の浮沈に関わる大きな問題です。人材の諸問題を抱える企業様を今後ともご支援して参ります。
人材マネジメント参考資料
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