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哲学で結果は変わるのか?経営カウンセリングによる企業変革の取り組み

哲学で結果は変わるのか?経営カウンセリングによる企業変革の取り組み

最近では「哲学コンサルティング」という言葉が聞かれるようになりました。GAFAと呼ばれる巨大IT企業が積極的に取り入れているのがこの「哲学コンサルティング」。

参考:GAFAが相次ぎ導入する「哲学コンサルティング」とは

また「パーパス経営」という存在意義を問う考え方も大変注目されています。弊社では、こういった本質的なテーマを主軸に据えて、経営課題の改善、或いは発展への経営指導を、1000社超の企業様に対し「経営カウンセリング」と呼んで行ってきました。

私どもアンリミは、何かに付け「哲学」だ「本質」だと、どこか硬い物言いが多くございます。さらに『「経営哲学が大事」「理念が大切」だと、聴けば聴くほど怪しさで胸騒ぎがする・・』など、時には揶揄(やゆ)されることもございますが、果たして、その哲学とやらで結果が変わるのか? なにか現状の変化、事態の好転が期待できるのか?

こちらでは、弊社サービスの「経営カウンセリング」の取り組みについてお話ししたいと思います。


哲学で結果は変わるのか? 理念で何かが変わるのか?

答えはNOです! 哲学で結果は変わりません! 理念を掲げても何も変わりません!

もし哲学という理論で結果が変わるのであれば、近くの書店に行けばそれでよいし、既に先人の誰かが、万人が等しく結果を得られる、それなりの商品化をしているはず。

弊社出版書籍『運命の星』のなかに書いてありますが

「経営危機を乗り越えたのはアンリミのおかげ?」「いいえ、社長と社員、そして取引先の皆さんの努力です」「どういうことですか?」という場面があります。

つまり、結果を変えるのは皆さんの努力です。皆さんの努力?

それだけでは第三者的で無責任に聞こえます。それでは、結果を変える努力とは何なのか?

努力は努力でも結果を変える努力です! 努力の為の努力ではありません!皆さん少しお考え下さい。

仕事で成果を上げる「努力」。社内で一致団結し目標を達成する「努力」。誰もが日々様々な「努力」をされている。改善し工夫もしている・・・それも「努力」です。

さて、過去の尊い経験や体験にくわえ、これまで蓄えた知識と能力で「努力」はしていても、思うような結果に繋がっていない・・・とするならば、それ以外に、もっと重大かつ本質的な問題があると考えねばなりません。重ねて、経験・体験・知識・能力・それ以外です。

今私たちが申し上げている哲学とは・・・『物の見方・考え方・捉え方』であると要約してお伝えしております。つまり、より正しい哲学の体得と努力によって結果を変えるのだ!と申し上げております。より正しい哲学の体得とその“実践の努力”です。

強いて言えば、『哲学を我がものにした〝一人〟が結果を変える』のです。

方法論は必ず行き詰る

それをカウンセリングの事例で言えば、こんな事が挙げられます。数字上のデータを確認し、スタッフの働きを見て、もっと生産性を上げるにはどうすればよいかと検討を重ね、意を決しての設備投資、最新の機器を導入する。また、給与システムをはじめ、あらゆる業務システムを一新する。ところが、一過性の結果は得られたものの、その後は思い描いていたような結果に至らず悩んでいる、といったものです。

そのような現実が、私たちの眼には『方法論は操れても人間を動かせない』と見えるのです。また、どんなに優れたシステムも素晴らしい設備もそれを動かすのは人間であると考えます。そして、より大事な問題は数字やデータには現れず、確認し難いもの、それはスタッフ一人ひとりの内面実体にあると捉えるのです。

要するに『人間を主体とした哲学を優先することで現状を打開するのだ』と申し上げています。

あらためて考えていただきたい!スタッフという人間はシステムだけで動いているのか?何か事あるごとに社内ルールを作れば、それに従うのか?給与の良し悪しだけで頑張れるのか?頑張りつづけられるのか?結果重視・能力至上主義の環境のなかで頑張れる人だけなのでしょうか?〝大いに〟疑問を持つべきだと思います!

確かに結果は大事です。しかし、そこに向かうプロセス(過程)はある意味で、結果以上に大切であると考えます。その人(スタッフ)が何をしようとしているのか。何を願い、目指し、どういう将来を思考しているのか。その内面にこそ、何ものにもかえがたい、躍動があるのではないか?と。

それを哲学の上から言えば、『人間は喜びを求めて行動をしている』と考えています。言い方を変えれば『人は感動で動いている』とも。

頑張ったその先に喜びがあり、感動できる何かがあるから頑張れる。反対に、明確な目的意識や人生観、仕事観がない状態で、生活に憂いを持ち、プライベートでは密かな悩みを抱え、将来の不安を抱きながら、人は果たして頑張れるだろうか?そのような人間で組織された現場の生産性が向上するでしょうか?それこそ新しい機械とシステムで事が足りるのでしょうか?

さらに、『ヒューマニズムの観点』から言えば、自分を察してくれる一人を欲求しているのではないか? 自分を分かってくれる一人がいることで安心できるのではないか?自分を本気で激励してくれる一人が居るから本気で頑張れるのではないか?それらを『歓喜の創造』と私たちは言っております。この歓喜創造の主体者は、皆さん一人ひとり、なかんずく、トップリーダーであると考えております。リーダーが何を思い悩み、何に努力しているのか?

数字やデータを確認し、効率や生産性の向上を考えることは当然の事として、大事なことは『スタッフが何を悩み、何に苦しんでいるのか』と。そして、一人ひとりをより真剣に思い見つめ、どうしたならば歓喜創造できるのか?と。

いわゆる、努力の角度を変えることで、生産性も効率もアップする。設備投資もシステムもプラスアルファーの力として発揮をすると考えます。数字・データという『事実の奥に潜む真実』がある。それをどこまで迫れるか。それが哲学であり、継続的に追求するテーマでもあります。

思うようにならない人がいる

また、こんなカウンセリング事例もあります。思うようにならない人がいる。この場合の「人」は、組織上様々な「人」が挙げられます。上司であったり部下だったり、同僚であったり同じ幹部役員であったり、いずれにしても、「思うようにならない」そんな人がいる。

『何回言って聞かせても、その通りにやってくれない』やってできないのではなく、反発してやらない。『何度お願いをしても、(がん)として聞き入れてくれない』聞き入れないばかりか、逆行してしまうなど。結局、思うようにならない人とは自分の意に反する人。

それが上司の場合は極めて厄介です。従わざる負えない立場を承知しながら、なお正直な意見を言っても取り合ってもらえない。これが部下の場合でも、そう簡単ではありません。職責・役職上の権限で指示や命令をしても、なお動こうとしない、動かない。

このことは同僚でも全く同じです。言ってみれば日常的なストレスとなっているのではないでしょうか?

いったいどこに問題があるのか?いくつかのポイントを挙げてみたいと思います。

まず、自分は正しくて間違っているのは相手と見ている。次に、相手をどうしたら変えられるかだけを考えている。そして、相手をマイナスの存在と捉えている。つまり相手に対する見方・考え方・捉え方に問題はないでしょうか?

ここでも『ヒューマニズムの観点』で申し上げれば、まず、間違っているのは相手だが、自分も決して正しくはないと見る。次に、相手の変化を求めるのではなく、自分の変化を考え、そして、相手を借りて自己成長できると捉える

実際のカウンセリングで申し上げますと、俄かに感情に触れることが多いようです。「感情言葉」が口を次いで出てきます。「でも、だって、しかし」、「そうは言っても、話は分かるけれども」等々。高ぶった感情で、さらにこうつづけます。『自分なりに精一杯、できる限りやってもダメなのです!』『相手のためと思っていても、全く伝わらない!』『何をどうしても、ダメな人はいないのでしょうか?』と。

それに対して、こうつけくわえています。『自己感情優先ではなく相手感情優先です』と。自己感情で言えば指摘、相手感情を大事にすれば気づき。自己感情は文句となり、相手を優先すれば激励となる。

さらに、『自己感情中心ではなく哲学中心です』と。相手は自分に対する理解、正しさより納得を求めている。哲学ではそうなっていますと。そして、どこまでも『自分自身との戦い』です!とも。

この『思うようにならない人がいる』という『事の本質』を私たちに置き換えれば、「思うようにならないクライアントがいる」となります。カウンセリングのなかで様々なメッセージをしても、やってくれない、動かない。これこそ哲学に問題があるのではなく、カウンセラー自身なのです。哲学が相手を変えるのではありません。私たちカウンセラーの課題であり、戦いでもあります。故に、カウンセラー自身が、哲学の研鑽と体得をし、より魅力的な人間を目指す。それが私たちの『努力の角度』であると自覚いたしております

『所詮、人(相手)ではない。自分が成長すれば周囲も変わる。自分を見つめず、何を論じ、何を行っても、無責任であるし大きな結果(価値)は望めないであろう』

この自己変革が、結果の変化へと結びついている旨の弊社のセミナー等の体験発表では、これまでも沢山の経営者の皆様に実体験を語っていただきました。その中身は理論ではなく事実が語られたと思っております。哲学を実践し大きな結果を掴んだプロセスであったと思っております。

さて、ここまでカウンセリング事例を通してお話をしてまいりましたが、実際には他にも様々ございます。

『売上には問題ないが、人間で悩んでいる』人間は本当に難しい! 実に面倒くさい! 厄介だ! と。

または今現在、『経営上の不安はないが今後の展開に迷っている』実は自分自身に迷っている!

はたまた、『家族経営、親族経営であるが故の問題で悩まされている』~親子は複雑だ!夫婦は難儀だ! 兄弟は実にややこしい! 等々。

多くの場合、この悩みや迷いをテクニックで解決しようとします。ともすれば、分析的な方法に走るあまり、本質的知見を見失ってしまう。ただ残念ながら、それらはテクニックという対処に過ぎず根本の治癒(ちゆ)には至りません。返って事態を混乱させてしまうことだってあります。

問題があれば(たい)をかわす、ごまかす、逃げる、そして、知らん振り。これも演劇の中にございました。事件が起きる、すると、うまく誤魔化す方法はないか? なんとか逃げる術はないか? あとは弁護士に任せて知らぬ存ぜぬと・・・。

私たちは、『悩みをなくすことを目指してはいません』。むしろ、『自己変革につなげる悩み方が重要』であると考えております。悩みとは、今現在の自分の課題のようなもので、その問題を通じて何に気づくことが大事なのか? 自分のどこに課題があるのか? と考え前向きに臨む。

畢竟(ひっきょう)解決法の問題ではない! 重要なのは取り組む姿勢! あるいは角度。解決法は後から付いてくる! つまり解決法は自己変革の後に付いてくるもの。そして売上は満足を追求した後から付いてくるもの。社内の人間関係組織の活性化躍動もみな・・・、『原因のない結果はありません』

≪事例ご紹介:とんかつゆたか様

自己変革によって変わる

結びに、『アンリミの哲理は結果の変革を現実化する』と申し上げております。

ただし、その哲理の研鑽をすれば必然的に結果の変革を具現化できるとは言い切れません。経営における哲学も理念も正しいものでなければならないことは、これは当然でありますが、その応用にあたっては、その瞬間瞬間において、常に検討し、反省し、修正しながら進めなければなりません。経営環境が違い、業種業態が違い、実態も異なる、それぞれ個性も違う一人ひとりのトップリーダーの主体性

あくまで人間が主体であるというヒューマニズムを根幹にすればこそアンリミ哲学の普遍性があるのです。

改めて・・・哲学で結果は変わるのか? それは『自己変革によって変わる』のです!または、自ら掴み取るものなのです。

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