アンリミ流ー努力しているのに結果が変わらない時の捉え方

1.自身を見つめる角度を失わないこと
努力しているのに結果が伴わない。これほど苦しいことはありません。
弊社のケースでいえば、経営者カウンセリングで痛いところを指摘され、言われた通りに実践してみる。けれども、結果が一向に良くならない。真剣に努力している人ほど、その苦悩は大きいのではないでしょうか。そうして「先ず自分が変わることが大事・・・」と決意を持って自己変革の努力をしていたはずが、いつの間にか、経営課題や数字に心奪われ、自己変革への躍動が弱まってしまうことがあるように思う。
そもそも、何をさして結果或いは成果というのか。売上や利益の拡大が結果なのでしょうか。
実は、業績は結果ではありません。哲学の視点で見れば、業績は、自己変革した『報い』です。哲学を学ぶことで、自己変革し、その変革した自身に応じた報いを得ているのです。それなのに、自己変革の追求でなく、報いばかりを求めてしまうから、返ってプラスの報いを得られなくなってしまう。
捉え方 [学び・努力・気付き(原因)]→[自己変革(結果)]→[業績・成果(報い)]
大切なことは、『報い』という事象・現象を見て、それが自身を映し出している鏡なのだと真摯に受け止め、「まだまだこれからだ」と積極的、且つ、前向きに自身を見つめることです。敢えて言うならば、実践の角度に微妙な狂いはないか、あるいは、結果が出ない程度の実践ではないかと自身を見つめることが、より積極的な見つめ方です。
確かに、それが考え方や成功哲学等に照らした自身の見つめ方ですが、では、自己変革していないのかといえば、そんなことはありません。変革しています。正確に言えば、自身を見つめる角度を見失わない限り、変革しつづけています。
≪選ばれる理由:目先の利ではなく本質改善ーアンリミの思い≫
2.一時の『報い』で一喜一憂しないこと
『報い』の表れ方には様々な違いがあります。努力してすぐに表れるケースと、望んだ形とは違うが、トータルで良くなるケース。あるいは、現象となって表れるまでに時間がかかるケースもあります。また、同じ努力をすれば同じような報いを得られるのかといえば、そうではありません。
たとえば、同じ洗剤で同じ洗濯機を使っても、汚れの成分や汚れ具合によって、汚れの落ち具合は違います。同じように、同じ努力をしても、個人の能力や資質、企業の体質や経緯などによって、報いの表れ方は違います。
つまり、結果の良し悪しで、自身を卑下する必要もなく、他人と比較するのでもありません。「結果の変革」とは、本質的には、自己変革です。1年や2年では、わずかな変化かもしれません。しかし10年20年という時間でみたならば、大きな変化となっています。人の話しを聞けなかった社長がスタッフの声なき声に耳を傾けるようになる。業績ばかりを気にしていた社長が、お客様やスタッフの喜びを心から追求するようになる。これはまさに劇的な変化です。
要するに、売上の問題、労務の問題、育成の問題等々、一見同じような問題が何度も繰り返される、あるいは、いつまでも問題が解決しないように思うことがあります。しかし、自身を見つめ、正しい考え方を学び実践を放棄しない限り、水面下では着実に前進しています。
我々の追求する、アンリミ流の成功哲学の実践とは、いわば、らせん階段をあがっているような状態であることが少なくありません。同じところをぐるぐると回っているようで、あがっているように感じない。また、一生懸命に努力しているのに、まだここかと、苦しくなることも多いです。諸問題に対し、表面的対応で急場をしのぐことはできるかもしれません。しかし、問題の急所となる自分自身から逃れることはできない。正しい考え方や実践を学び続け、自身と向き合いつづける限り、変化はしつづけています。前進しています。必ず『結果』は激変します。
3.原因と結果を見極める目を養う
これまでにも、いろいろな業種・業態の企業経営をされている皆さんと共に学んできた訳ですが、結果が思うようにならないという皆さんがよくおっしゃることには…
①「一生懸命に頑張って、しかも間違ったことは一切やっていないにも関わらず、結果は思うようにならない」
②「社員教育を徹底してやっている、そういう原因をちゃんと打っている…にも関わらず一向に育たない、やる気も見せない」
③「自分は、会社の発展を誰よりも願って頑張っている、にも関わらず、うちの社員は、幹部は…全然そうはなっていない」
④「幹部、スタッフを信じて任せている…という原因を打っている、にも関わらず、こちらのそういう思いに全然応えてくれない」
⑤「会社の展望はちゃんと掲げている。示している、にも関わらず、社員は主体的に動こうとしない」
⑥「時代感覚、ニーズを取り入れて商品開発をしている、にも関わらず全然売れない」
⑦「俺は家庭を大事に考えている。いろいろと家庭サービスもしている、にも関わらず夫婦間、子供と自分との間にギャップを感じ、悩んでいる」
といったことが多く聞かれました。
これを、捉え方の変化でいうならば、
①「一生懸命に頑張って、しかも間違ったことは一切やっていない。にも関わらず、結果は思うようにならない」
⇒それは、“自分としては一生懸命に…”との錯覚をしているんだ、ということ。
②「社員教育を徹底してやっている、そういう原因をちゃんと打っている。にも関わらず一向に育たない、やる気も見せない」
⇒それは、社員は存在しても、自分自身(社長、トップリーダー)がそこには存在していない。社員が、幹部がとなって、肝心の“自分は”というのが欠けている。自分不在が原因。
③「自分は、会社の発展を誰よりも願って頑張っている、にも関わらず、うちの社員は、幹部は…全然そうはなっていない」
⇒それは、そのようなことは当たり前であるということに気が付いてはいない。
④「幹部、スタッフを信じて任せている…という原因を打っている、にも関わらず、こちらのそういう思いに全然応えてくれない」
⇒それは、社員から貴方(社長)が信頼されていないというのが原因なんだ、ということ。
⑤「会社の展望はちゃんと掲げている。示している、にも関わらず、社員は主体的に動こうとしない」
⇒それは、掲げている展望がスタッフにとって納得性が無いというのが原因。自分(社長)のことばかりで、私たち(スタッフ)のことは全然考えてくれていないというのが原因。
⑥「時代感覚、ニーズを取り入れて商品開発をしている、にも関わらず、全然売れない」
⇒それは、人間が不在なんだということに気が付かない。これが原因。
⑦「俺は家庭を大事に考えている。いろいろと家庭サービスもしている、にも関わらず夫婦間、子供と自分との間にギャップを感じ、悩んでいる。
⇒多くを見ると会話が不足していたり、そういう思いが伝わっていない事実に気が付いていないことが多い。
これらは、ほんの一部の例に過ぎないかもしれませんが、要は本質を見極める目を養うことが肝要です。
4.「発想」「考え方」「時々の判断」「捉え方や見方」
弊社アンリミで学ぶ以前の状態を確認すると、多くの方々が…
①自己中心的発想だった。(様々な体験談にも出てきたりするが)けっして悪気は無いのだけれども、自分勝手で、一方的に相手(社員)に自分(社長)の考えを押し付けてしまっていたという方がおられます。熱心で、真剣であるが故に、自分自身では気が付かなくなってしまっているというのがほとんどです。悪気は無いし、間違ってもいない。でも、相手(スタッフ)からすると、リーダーの勝手さに嫌気がさし、眼には一方的な姿と映っているかもしれません。
②自分を良くするために、相手を良くしようと考えがち。“会社を良くするためにお客を喜ばそう”とか…。結局自分が良くなるため、と考えている。
③自分は間違ってはいない、正しい。悪くは無い。という大前提で物事を考えている人。
④常に、言い訳を先に考える人。
⑤過去、あるいは事例や教訓、知識などで時々に判断をしている人。
我々が向き合ってきた多くのクライアントの方々が、学ぶ以前に持っていた発想、考え方、時々の判断、捉え方や見方がこのような状態であったという場合が見受けられます。
弊社カウンセリングでの実際のやり取りを収めた弊社書籍のひとつにこうあります…
先日ある社長とのカウンセリングの中で話したことだが、私は毎年三割の売上アップをしてきたといっていた。だからいってあげたんです。「もし別の人間が、全く同じ条件設定で、あなたの会社組織を率いた瞬間に、毎年六割アップしたとしたならば、あなたは三割アップしてきた企業に対する貢献人ではなくて、本来六割アップする可能性を遮断してきた張本人となりませんか?」と。そういう価値観を持っていないと人間は皆角度を誤ります。理想を持っていないと。自画自賛・我尊しとなった瞬間に全部崩壊する。会社に対する最大の貢献人は私で、歴史上の事実としても創業者は私だと、そうなってしまったらとしたら、それは大変な誤りかもしれない。更にこう云ってあげました。「あなたの様な、不甲斐ないリーダーを信じて支えてくれている偉大な人々(家族やスタッフ、取引先)の偉大さが分かる、あるいは発見できる貴方にならなかったならば、本当の意味で人を大事になんか出来ません」と。俺もなかなかたいしたもんだ!闇夜のカラスで黒の中の黒で、何にもわかっていない。何も見えない、見えていないんです。(「創立者・鈴木昭二」~美丈夫~ より)
これも、捉え方のひとつ。自分が貢献人だと捉えるのか、別の人だったらもっと豊かに出来たかもしれない…と捉えるのか。ほとんどは自分中心に考えてしまう。ここが会社の発展を阻害している要因になっていると感じることも少なくありません。
5.目に見えない力の存在を知る
財力、権力、知識…力にも様々あるが、ここでいっている“力”とは、目には見えないもの。例えるならば“温度”もそう。温度が下がると、例えばコートを着る、暖房をつける、衣替えをする等々、生活を変える力となる。つまり結果に結びつく原因には、この見えない力が働くということ。
社内には雰囲気という目に見えない力もある。例えば様々な勉強会や会議体もそう。いい加減な雰囲気を作ってしまったならば、何のための勉強会か?会議か?意味の無いものとなってしまう可能性もある。
ここでいう“目に見えない力”とは、「思い」のこと。思いという力があるんだということ。それは全てを変える力。思いによっては希望に満ちた状態にもなれば、絶望に打ちひしがれた状態にもなります。絶望という思いに満たされてしまったならば、一切の可能性を自ら遮断する現実を作り出す。それは思いの力によって。
6.原因の所在と結果の正しい意味
原因の所在…自分自身の物事の見方・考え方・捉え方、所謂哲学が原因のありか。
結果の正しい意味…自己自身の発見と、自己自身のスケールアップ。
今、様々な難問が目の前にあったとする。この原因はどこにあるのか?それは、自分自身の物事の見方・考え方・捉え方に原因があり、自己自身の発見と自己自身のスケールアップを、このことを通して現実化することがその正しい意味だということです。
最後に…皆様へ感謝の意を込めて、偉人の残した言葉を贈ります。
「人は、自分以外のもののために生きられるようになって、初めて、生のスタートを切る」
―アルベルト・アインシュタイン