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スタッフの仕事に対するプライドを如何に育てるかーアンリミテッド業種別研修会より

スタッフの仕事に対するプライドを如何に育てるかーアンリミテッド業種別研修会より

今回は、アンリミテッドで行った業種別研修会の内容をお届けします。こちらは建設業関連のクライアント様が集って行われた研修会のまとめを載せておりますが、「職人(専門職)」だったり「人材」といったキーワードは、様々な業界にも通じる内容と思います。

ある、建設業の社長様から、自社のスタッフ(職人)に対する以下の質問から研修会が始まりました。

『質問:社員(職人)がサラリーマン化してきました。時間から時間で働く感じになっており、それ以上のやる気が感じられません。社員のやる気がでるシステム、工夫があれば教えて下さい。』

職人のサラリーマン化

「サラリーマン化してしまった」というマイナスイメージで言っていますが、「サラリーマン」か「職人」かではなく、仕事に誇りがあるかないか、本当の意味で仕事に喜びを見出しているかいないか、が問題であって、サラリーマンでも職人でもどちらでもいいと思います。

今の話を聞いていて、「サラリーマン金太郎」というドラマを思い出しました。たしか建設会社のサラリーマンが主人公のストーリーだったと思います。その主人公、金太郎は駄目なサラリーマンではなく、誇りとプライドを持ったちょっと破天荒なサラリーマンで、見ていて漫画チックだが何となく魅力があり、ついつい見てしまいます。何屋をやっているのか、自分がどんな仕事をしているか、ではなく仕事にプライドを持っているのかが大切だと思います。

以前、一級建築士の方々の集まりで、建築基準法の第一条の目的を確認したところ、皆さん忘れていました。自分たちがやっている仕事の根本的な目的の自覚もないままにやっているのか、と思ってしまいました。自分たちがやっている仕事への誇りとかプライド、自分がやっている仕事の意味、意義、というものが希薄に感じました。

建築基準法の目的には「この法律は、建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。」とあります。しかし実際仕事を行っている方々は国民の生命を守っているんだ、という本来の目的やプライドに欠けてはいないでしょうか。

要するに「私はこういう仕事をしている何屋の職業人」という感じになっていると思います。それは「作業員」と同じことです。何の為にやって、どういう意味があって、という自覚・プライドがない(持たせていない)のであれば頑張り様がないのではないでしょうか。建設業であっても、命を守っている仕事だという誇り、表面的には様々な作業だったりするが、実は命を守っているんだというプライド、そういうプライドを持っている人が本当の意味でプロだと思います。そういうものが無い状態でやっているのは字面(じづら)の「職業人」です。持つべき誇りもプライドも持たせないで、どうしたら頑張らせることができるのか、といったところで全部対症療法になってしまうのではないでしょうか。

今時、給料以上の仕事を頑張ったならその分多く給料を払うと言っても、「私はそんなにお金は要りません、お金より時間、仕事より家庭が優先です」と言う人が大勢います。そんな人にお金で頑張らせようと思っても頑張りません。自分が今やっている仕事の意味合いを、今以上に一人ひとりが自覚をもった時に自動的に頑張ると思います。

仕事にプライドを持つ、誇りを持つ。そういう仕事をどっかでみんな求めているのではないでしょうか。でもみんな「何屋」になってしまっているからダメなのです。職業には差別はありません。一人ひとりがプライドを持つ。そういう人に魅力を感じるものです。賃金の高い低いや、システムなどではなく、仕事にプライドを持つことが大事なことです。

 ≪あわせて読みたい記事:人材を育成する急所はどこに有るのか?ーシリーズ・カウンセリングの現場から

人を育てる

多くの場合、社員を育てたいと言っているのは、自社の仕事に於いて、業務推進の上での「職業人」として育てようとします。しかしその前に、人間として育てないといけません。営業ならば営業の仕事を教えて、営業を取れるようになりますが、人間的な育成ができていない為、仕事ができる人間に限って悪さをすることがあります。あるいは仕事ができても嫌われる人間になってしまうのです。そういう意味では「釣りバカ日誌」の「浜ちゃん」は建設会社に勤務している、あまり仕事ができない社員です。会社という組織には、仕事ができる人間も必要ですが、仕事はできないが場を和ませたり、心優しい人間も必要だと思います。そういうバランスが必要なのです。

また人を育てるポイントは、人生に対するプライドを持った人間を沢山作ることです。そうすると、やるなといってもやるようになるのです。頑張るなと言っても勝手に頑張るのです。なぜなら自分の人生だから。逆に人生に対してプライドのない人間は何をやってもダメなのです。よく社員が動かないとか、思う様にならないと聴きますが、哲学上は動かないのではなく、動きたくない様にしているのです。“動かない”というその相手に原因があるのではなく、“動きたくない様にしている”こちら(貴方)に原因があるのです。

 さらに、人を育てたいという話をよく聴きますが、“育てる”のではなく“育つ環境を整える”ことを優先して欲しいのです。

環境を整えるとは三つあります。

草木に例えて、

①肥沃な土壌

②清らかな水

③燦々と降り注ぐ光

この様な環境が無いと、草木は育ちません。育てたいという前に、育つ環境が無いと育たないのです。肥沃な土壌が無いと、植えた苗は栄養不足で萎(しお)れてしまいます。土壌がしっかりしていても、水が注がれていなければ枯れてしまいます。土壌が肥沃で水が豊富にあっても、光が差さなかったら育ちません。これを人(社員)に置き換えて、皆さんなりに考えてみて下さい。

また、もう一つあります。社員という人間は、一人ひとり同じではありません。一人ひとり皆違います。社員の成長も人によって時間差があるのです。同じ時期に花が咲き、同じ時期に実が成るわけではありません。人が育つ環境を整えているのかどうか、是非考えてみて下さい。

学ぶ理由 

先程、全国の新築着工件数が80万件を割ったというお話がありました。昨年、一昨年と比べると2割3割減という状態だそうです。こういったことを、情報として見たり・聞いたりしていれば、不景気で下を向くようになってしまいます。事実だけを見ればそうなります。しかし、私達は事実とデータだけを見るのではありません。事実とデータを承知した上で、未来を一生懸命見よう、理想を一生懸命掲げよう、としているのです。ですから世間から見ると雰囲気が少し違うのです。痩せ我慢と言われるかも知れませんが、下を向いているよりは良いと思います。哲学を学ぶことによって、上を目指そうという主体性を強化するのです。強い主体性をもって、厳しい現実をどう主体的に受け止めていくのか。そしてその厳しい現実にどう立ち向かっていくのか。その主体性を強化する為に学ぶのです。誰でも先は見えません。私達は先の見えないことを不安に思うのではなく、未来を創造しよう、自分達で創ろうという主体性をもっと持たなくてはいけないと言いたいのです。与えられた環境を嘆くのではなくて、自らが創造し、作り出していくという主体性を強化するのです。故に、未来を創造する主体性が益々求められるとお伝えしたいです。

喜びを創り出す

喜びや悲しみは、全部伝播するものなのです。喜んでいる人が仕事をすると自動的に喜びを創造するようになっているのです。喜びも無く悩んでいる人が周りを喜ばせることを考えても、良い考えは出てきません。喜びも感動も全部伝播するのです。リーダー自身に喜びがあり、社員が喜んでいることがベースとなっていなければいけないのです。何に喜ぶのかは、一人ひとり違います。仕事に喜ぶ人もいれば、趣味に喜ぶ人もいるでしょう。一人の人間として喜びがベースになければ〝お客様が喜ぶことを何かしましょう〟と言っても、決して現実にはならないものです。

内面世界 

日常は思う様にならない不自由なことが沢山あります。しかし、私達の内面は自由自在なのです。何の拘束も制限もないのです。そういう世界に私達は生きるのです。しかし、得てして、内面まで不自由な世界に拘束されてしまうのです。現実と内面をイコールにしてしまうのです。本来、私達は何を思っても自由なのです。内面世界は自由な世界なのです。皆さんで楽しいことを沢山考えて下さい。出来そうもないことを沢山語って下さい。そういう心が躍動する世界を創ると信じて、ぜひ上を向いて挑んでいきましょう。

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