意識改革と組織改革が企業発展のポイントー事業の成長になぜ意識改革が必要なのか?

コロナ禍にあって、売り上げの確保、継続的安定化をするために、日夜悩みながら奮闘されていることと思います。様々な施策や現場対応、さらには組織・スタッフのマネジメントをされている企業トップの心労は、計り知れないものがあります。
私どもアンリミテッドクリエーションのカウンセラーが、企業インストラクター(コーチング或いはハンズオン型支援)として、現場に入る時に何時も意識して見ることは、トップリーダーを中心にスタッフ一人一人が、事業目的を理解し、お客様に対して、事業目的を現場の知恵として昇華し提供しているのか?との一点を見るようにしています。そこにマネジメントの成否が隠されているからです。そのヒントとして実際にあった具体的な事例を紹介します。
地域から嫌われていたホテル
商圏人口は8万ほどの地域に建つ創業から30数年経つホテルの現場支援のために副支配人との立場で赴任しました。社員、パートさんを含め約40名弱のスタッフで運営しておりました。支援が始まって数か月が経ったある日、営業推進のミーティングで一人の役員から「赴任されて3ヶ月・・・そろそろ結果としての数字をあげてもらいたい」との言葉を投げかけられました。
主に営業と企画を担当するスタッフは8名ほどおりました。しかし、顧客への商談を実際に担当する営業と、宣伝広告を仕切る企画推進との折り合いが悪く、ちぐはぐな戦略を続けておりました。一人ひとりのメンバーは真面目に働いておりましたが、結果がついてこない。私も赴任してから、地域の評判を取材して回っておりました。ホテル回りの家々5,000軒から取材を兼ねて営業訪問。地域の評判は「こうやって話を聞きに来たのはあなたが初めてだ」「副支配人さんのところは、何十年も料理のメニューが変わらない。特別に美味しいわけでもない」「金額の割に食べるものがない」など、不平不満のオンパレードでした。要は、地域の方たちに支えられているのではなく地域から嫌われていたのです。
評判を表すように、「企画、営業、サービス・オペレーション」が一貫した商品になってはいなかったのです。その本質は、この三つを商品と捉えられないリーダーに一切の原因がある事に気付けていない現状がありました。その事を役員の方に告げると「それを改善する為に、貴方がいるのでしょう」と矛先を私たちに向ける始末でした。そもそも、いくつかのコンサル会社を導入しても結果が変わらず、困った末に弊社と契約したのでした。
自分の姿は自分では見えないもの
我々アンリミテッドクリエーションの目的は、共々に自己成長し、自走出来るよう現場改革する事です。その役員との対話の中で勇気をもってお伝えしました。
「もし私がこの会社を全て仕切るのあれば、あなたはいないほうが良い。貴方は、役員であり中心的リーダーのはずです。本来、リーダーが正しいものの見方、考え方、捉え方を基とした判断をし、スタッフに対して感謝の思いを持ち、接しなかったならば、スタッフは勿論、お客様が感動や満足をするはずがない。私が、この地域の方から教えて頂いたのは、(トップが)お客様の事を解ろうともしないし、聞く耳もないという事です。売り上げの数字を数える前に、お客様の意見、感想を謙虚に聴きそのフィードバックを通して、商品を提供する事こそ大事で、結果としてお客様が支持してくださり、お店が支えられる・・・それが本当の営業活動ではないでしょうか?つまりあなたが求める〝数字〟の変化には、トップの意識改革が必要だということではないですか?」
誰しも自分の姿は自分では見えなくなり、その見えない姿が、結果という数字や評判のもととなっていることが多いものです。
こんなやりとりを繰り返す中で、徐々に会議の内容もリーダーが気付いた分だけ変化をしてまいりました。多少の時間経過はありましたが、組織の思想と意思の統一を含めリーダーが求める売り上げ規模を達成できる組織へと変革をして行きました。
■関連資料のご案内
・組織改革を成功させる“4つ”のポイントとは?具体的な手法・プロセスも解説!