社員教育の成果が出るポイントはどこにあるのかー社員の心に火をつけるには?

① 魅力的なリーダーになる事
通常一般的な社員教育の目的とは、どの様な組織体、企業体でも、すべてリーダーといわれる人がいる。そのトップリーダーと組織構成員との価値観ギャップを修正するのが社員教育の目的である。
しかしながら、本質的捉え方をするならばどの様なシステムで、どの様な内容で、どの様なやり方で・・・とのやる以前の問題としての大切な事は
※トップ自身が魅力的な存在(興味を引きつけられる存在)実態になっているのか、いないのか。 又その様な行動を取り続けているのか、いないのかが問われるべきである。
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あの人に関心を持ちたい、 あの人に近づきたい、
あの人のいう事はききたい、 あの人と人生を共に過ごしたい、
あの人の様になりたい、と言われる様な実態が我々の中にどれだけ確立されているのか、いないのか、
の確認をすることが、先ずもって最優先のテーマなのです。
トップリーダー自身が自らの価値観に合わせようとしていくら教えても、いくら時間を使い、いくら経費を使い、いくら場面をつくり、いくらエネルギーを使っても、社員から見て、トップリーダーが魅力的でなかったら、同じ言葉を発しても反応は違ってしまう。
どんな言葉でどんな内容を発しても、相手がやりたくならなかったら無意味である。
どの様なシステム、やり方をとっても良いが、大切な事は、そのシステム、やり方が無駄にならない様な自らを、先ず確立しておく事が物事の優先順位のNo.1なのだ。つまり社員を教育する以前に、我々自身が今より更にまともになる事なのである。
② 自分をみつめ直す事
一般的に人は、相手を知る為、環境をみつめる為に自らの興味、感心、注意力を他に向けるが、優れたリーダー或いは環境を変えることが出来た経営者の方々は、その力(興味・感心・注意力等)を自分を確認する為に、自分をみつめる為にも使ったのだと思う
自分のウィークポイントはどこにあるのか?自分の課題はどこにあるのか?自分の問題点はどこにあるのか?という角度で …
結果を変えている方々は、たぶん、自分に妥協することなく、自分をみつめる絶対量がほかの方々より厳しかったのだとも思う。環境を変える事のできる人間、周囲を変える事のできる人間は、先ず自分を変える事ができる人間である。そこには、もちろん闘いがある。理論は極めて単純、しかし実践はなかなか容易な事ではない。
③ 相手の側に立てる能力を身につける事
地球上の80数億の人間の顔形が違うように、性別、人種、国籍、能力、性格、長所、短所、若い、年寄り等 皆違う。一人として同じ人間はいない。一人ひとりの特徴、特異点(明確な個性、他との明らかな違い)も違う。社員の心に火をつける最も大切な能力は、条件反射的に相手の側に立てる能力である。例えば、熱いストーブに触った時、条件反射的に手をはなす様に …頭が良くても、数々の能力・技術を持っていても、相手の側に立てる能力を持たなかったら、両刃の剣で自分を生かすことではなく、自分自身を切ってしまうことになる。優れた能力を持っていればいるほど …。
リーダーにとって必要な様々な知識、経験、資質等いろいろ言われるけれども一番大切な能力は、相手の側に立てる能力があるのか、ないのかにある。
この能力があるのか、ないのかが
自分を生かせるのか、生かせないのか?
結果を変えられるのか、変えられないのか?
業績を上げられるのか、上げられないのか?
自分の技術を生かせるのか、生かせないのか?
自分の能力を生かせるのか、生かせないのか?
人の心に火がつけられるのか、つけられないのか?
の分岐点(根本的原因)になってくる。
この事は、日本でも、全世界中どこでも同じである。外国語(言葉)は喋れなくても人間の思いは万国共通である。
仮に外国語(言葉)は分からなくても、意思の伝達はできる。
相手の側に立てる能力を研鑽してきたのか、してこなかったのか? 相手の側に立てる能力を磨いてきたのか、磨いてこなかったのか? 相手の側に立てる能力を創りあげてきたのか、創りあげてこなかったのか? 相手の側に立てる能力の体得を努力してきたのか、努力してこなかったのか? によって自分自身がどの様に相手に評価をされるのかが大幅に変わる。 |
年齢の多少にかかわらず、人間として、リーダーとして、是非とも挑戦すべきテーマである。努力した努力が、一切無駄にならない角度は必ずあるのだ。
④ 歓びを提供できるリーダーになる事
人生とは所詮、苦しみと悲しみ。思い通りにならない連続なのだ。
何故この様な悲しい思いをするのだ。何故この様な苦しい思いをするのだ。何故この様に思い通りならないのだ、との連続なのだ。
もちろん嬉しい事も楽しい事もあるけれど、振りかえればわかる様に、あっという間に過ぎ去ってしまう。
喜びは、秒針のスピードで動き苦しみ悲しみは、短針のスピードで動く
もしそうであるならば、そうであるほど、そうあればこそ、せめて私と共にいる時は歓びを提供してあげたい。
提供しようとの思いで常にいる。
リーダーがリーダーたる資質は、歓びを創造する苦悩を持っているかどうかにある。
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その様な思いを持っているリーダー
その様な内面をつくりあげているリーダー
その様な努力(闘い)をしてきたリーダーの発する“頑張ろう”との一言は、
言葉は同じでも相手の心に響く反応は違ってくる。
ガソリンを供給しなかったら車が動かない様に、人間も歓びというエネルギーを供給しなかったら動かない。一般的に人は歓びを提供する絶対量が少な過ぎるのだ。
相手の心を揺り動かすのは、こちらの(自分の)心です
相手の心を怒らせるには、こちらの心が怒ればよい。
相手の心を傷つけるには、こちらの心を傷つければよい
マイナス(▲)の場合もプラス(+)の場合も
相手の心を揺り動かすのは、こちら側の心なのです、良くも悪くも …
⑤ 具体的対応 = 激励(ほめる事)
歓びの提供をするのには、具体的にどの様な行動をとれば良いのでしょうか。それは、ほめる事です。ほめる事とは、単なる言葉でほめる(激励する)事だけなのではありません。
どこどこに行ってあげよう
誰々と会ってあげよう
こういう物をさしあげよう。
誰々の苦悩を除去してあげよう
誰々をイベントによんであげよう
誰々と一緒に食事をしてあげよう 等々
つまり相手を認め、相手を尊重した上で、相手の期待している期待をうわ回る対応をこちら側がする事なのです。
⑥ 社長は社員なり
一般的に社員教育を依頼される時のケースを見ると、トップリーダーの方は、私は結構ですので、社員のレベルアップをお願いしたいとの角度で依頼がある。しかし、本質的捉え方からするならば、社長も社員なのです。総理大臣も代議士である。チームの監督もチームの一員である。通常の企業であれば、社員の中から優れた人が社長になるのです。
つまり、人間として資格は平等なのです。職責(職業上の責任)と与えられたテーマが異なっているだけなのです。
この様な平等観を持っていないリーダーは、偉いのは自分でお前達は偉くないという人。
この様な平等観を持っていないリーダーは、相手(社員)の心に火をつけることはできません。
この様な平等観を持っていないリーダーは、相手(社員)の心を燃え上がらせることはできません。
相手を見下しているリーダーは、相手の心に火をつける事は出来ないのです。
逆に、こういう概念を常に身につけているリーダーは、相手を見下すこともなく、又相手の心に火をつけることもできるのです。
常にトップリーダーは、“社長は社員なり”の心構えを忘れないことなのです。
⑦ まとめ
事にのぞむ前に、事にのぞむ姿勢が最大事。実践、継続出来る人は、持続出来る工夫を、自分の中でひねり出して来た人です。物事に妥協せず、自らの主義主張に妥協することなく、手を抜かない闘いをしてきたのだ。
以上の ① ~ ⑥ 迄の角度をふまえ、あるべきトップリーダーに、我々一人一人が成長する事がテーマに対する答えとなる。
【ポイント】
①魅力的なリーダーになる事
②自分をみつめ直す事
③相手の側に立てる能力を身につける事
④歓びを提供できるリーダーになる事
⑤具体的対応 = 激励・ほめる事
⑥社長は社員なり
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