ブレない自分になるには?―自身の主体性を確立するために

弊社アンリミテッドクリエーションのカウンセリング用テキストにはこうあります。
(書籍ヒューマンスピリッツVOL3より)
≪アンリミテッドのクリエイティブマネジメント≫
「行き着く港のない船に、風はけっして帆を押さない」これは有名なモンテーニュの言葉です。私たちは望まぬ方向へでなく、心から体験したいと思う希望の港に向かって帆をあげるべきです。何よりもまず、「心からなる願望・希望」こそが出発点であるべきです。それを私たちは成功への「原点」と名づけます。
原点とは、人生行路を照らす導きの星であり、豊かな創造と前進のバネであります。また大樹をはらんだ種子ともいえます。そして信念を燃やす核であり、自己自身を静かに客観視するための座標軸を与えてくれるものであります。また原点は、一切の出発点であり、帰着点であります。従って、私たちは、原点となる正しい物の見方や、考え方を一人でも多くの方にお伝えしなければなりません。風は常にフォローの風だけでなく、アゲインストにも風が吹くからです。すなわち、正しい物の見方・考え方を伝えるためには、果敢で勇気ある挑戦が必要です。挑むこと、それこそが無限の可能性を拓くことに通じます。
「正しい認識と挑戦」このふたつをベースに、物心両面にわたって豊かになること。これが私たちの共通のゴールです。そのためには、発想の原点に利他のスピリッツと感動の心をすえることが必要です。
真の幸せとは、利己的なことにこだわることではなく、他を利するために困難な波を乗り越えて人のために尽くした後の充実感、生命のダイナミズムであります。
このような心の活動が、常に意識的活動から潜在意識へ、そして目に見える行動へと向かう潮流となることは、疑いの余地もありません。私たちは例えどんなものと自己とを同一視しようと、必ずそのようになり、私たちが考えることは徐々に潜在意識に入り込み、必ず現実となって現れてくるのです。この場合、体験とは向上と前進に他なりません。そして、潜在意識とは人間的な拡がりと深さ、その無限性を言います。自ら困難なテーマに挑戦し、自らをとり囲む環境に対応し、共に戦う。それを可能にし、原点の深さをさらに追求していけるのも、これらの導きの「原点」があってこそなのです。
(中略)
アンリミテッドのクリエーティブ・マネージメントは、繁栄する法則の正しい活用を、心をこめてご指導いたします
自らの主体性を強化する
「行き着く港のない船に、風はけっして帆を押さない」とある。
「希望の港」・・・時代や状況が変わっても変わることのないもの。
景気が良い時は、あっちにしよう、これも面白そうだと考えていたけれども、環境が厳しくなったら、ちょっとそれはやめた・・・といったような、時代や状況によって変わってしまうようなものではない。決して変わることの無いもの。ここでいう「希望の港」。
以前は、自分も若かったから、あっちにも行ってみたい、こっちにも行きたいと考えていたこともありました。しかし、このアンリミテッドのヒューマニズムをベースとした経営哲学に出会って20年たって、私なりに研鑽してきた今は、やっぱりあっちはやめて、こっちにしようと変わることは少なくなってきているように感じます。繰り返しになりますが「行き着く港のない船に、風はけっして帆を押さない」とこうなっているのです。
多くの人がなかなか見出せないものでもあります。何があっても変わらない。良くても悪くても変わらない今も、何年後も変わらないという港。個人においても、経営においてもこれが無いと、風は帆を押してくれないとなっています。あるいは、そういう港・・・何があっても、あそこに行くのだという港(目的地)があるからこそ、様々な状況の変化にも立ち向かうことができる。しかし多くの場合、港が存在しないから厳しい時に、厳しさに打ちひしがれてしまう。つまり、負けてしまうことがあります。生身の人間ですから、疲れて倒れる時もありますし、病に伏すときもあるはずです。多くの場合は、その病やアクシデントが原因でダメになってしまう現実をたくさん見てきました。でも、どうしても行きたい港がある人は、倒れた時の立ち上がり方が強いと感じます。或いは倒れない。生涯を徹して行き着く港はどこなのか。これを持った人生は強い。倒れても、また立ち上がれる。
多くの場合は、今が余りにも厳しく、経済状況があまりにも困難だから、希望を持ちたくても持てないという方が居るけれども、それは逆さまだと思うのです。そもそも希望がないから、困難に打ちひしがれているだけなのだと言えるのではないでしょうか。
行きつく港(目的地)は一つなのか?
こう言うと目的地とは売上が〇〇で、利益はこれ位で・・・と考える方がいらっしゃいます。ここで言っているのは、数学の話をしているのではありません。考え方、見方、捉え方といった哲学の話をしています。1+1=2というのをお伝えしているのではありません。ということは、ここで言っている目的地は一個ではないということです。人それぞれ様々だということ。最後は、一個につながっていくかもしれないけれども、そこに行くプロセスが大事なんだということです。以前、弊社のクライアントイベントで75歳の大先輩経営者が、これまでの会社経営や人生経験について語ってくださったことがあります。我々が75歳まで生きたとして、そのプロセスは、(その方のそれとは)全く違ってくる。時代を含めた環境全てが大きく違うわけですから。これは、月の売上があと100万、200万足りないとか、経常利益がどうとか、そういう話ではないのです。
私どもの全国セミナーの際に、経営者体験談の中でクライアントのT社長がこのように話してくださいました。
アンリミと他のコンサルとの違いは何か?自分(T社長)は倒産の危機も味わって、アンリミと出会って、その後、利益の追求、売上の追求もしてきたけれども、現実にいまそれがほぼ叶っている。その中で気が付いたことがたくさんある。それは、売上も利益もゴールが無いということ。つまり、売上や利益は、ここで言う行き着く港ではないということです。
「原点とは、人生行路を照らす導きの星であり、豊かな創造と前進のバネであります。」とあります。なぜ?何のため?というところに行き着く。何の為に生きるんだと。何の為に頑張るんだと。生活の為とか、お金の為とか、捉えている人が圧倒的に多いと思います。もし、お金の為だというなら、職業選択は要らないだろうと思う。自分の生活の為だとしたら、どんなことを職業としてもいいと思う。貰った銭でも拾った銭でも、何でもいいとなってしまう。なんで、あなたは〇〇を仕事にしているのか?との仕事観が重要になります。そこを、もう一度確認することがとても大事です。そのことがハッキリしないと、今やっている仕事に、魂、勢い、意味、喜び、感動というものがなくなってしまう。本当の意味で味わえない。自分は、このためにこの仕事をやっているのだ、という原点がない人は、一日仕事をやって、あー疲れたで終わってしまう。仕事以外のことに喜びを見出す。そうして、どんどんと脇道にそれていく。
一人ひとりの原点の確立が大事
もし、社内を喜びの集団・・・エンゲージメントもモチベーションも高い組織にしたい!そう思ったならば、スタッフ一人ひとりがここでいう「原点」を持ったスタッフにすることです。方法は様々にあります。外部に頼んで人材教育に取り組むことも良いでしょうし、トップ自らが現場におりて一人ひとりの考えを聞くことも大事なことです。結果的に一人ひとりの中に、その仕事をするための目的が明確になれば「原点」の確立につながっていきます。もし、そうしたならば、会社全体、組織そのものは自動的に積極集団になります。
逆に「原点」を持たないスタッフが集まったとしたならば、元気にしようにも、そうはならない。自分は趣味が第一で、決まった時間だけ働いて、報酬だけもらえればいいと思っているスタッフと、とりあえず働くところがないので、次が見つかるまで働くといったスタッフ。原点がバラバラ、あるいは本当の意味での原点を持たない人が集まっているとして、それを喜びの集団に変えようと思っても、それは無理なことです。
一人ひとりが、今やっている事に誇り、喜びを本当に持ってあたっているとしたならば、もっと組織に勢いがついてきます。一人ひとりに原点があることが如何に大事かということを今回は知ってもらいたいと思います。
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