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チェンジマネジメントー経営における「質」と「量」が企業の変革のポイント

チェンジマネジメントー経営における「質」と「量」が企業の変革のポイント

チェンジマネジメントという考え方があります。「経営の変革」という意味合いのことなのですが、分かったようでよく分からない言葉です。

今回は、この経営の変革について、物理的、学術的な意味合いでのその「質と量」についてではありません。現実の企業経営に照らした場合における本質的な意味あいでの「質と量」についてです。

チェンジマネジメント1.顧客満足における「質と量」

身の回りにある、あらゆる現象をこの「質と量」という眼で見て、もう一度チェックをしてほしいと思います。人間関係にも「質と量」があります

例えば、事業承継でよく関係性の問題点として話に上がる父と息子(後継者)・・・何年間、親子関係が続いているのか?これは「量」です。しかし、問題が起きているその中身、「質」にあることが殆どです。

お客様の満足にも「質と量」がある。

満足の量とは、お客様の人数・予約の件数・売上。定量とも表現できます。また、お客様に喜んでもらおうとして行った様々な手段・方法・サービスの種類・・・これも量にあたります。満足とは「喜んだ・良かった・楽しかった・良くやってくれた」等々のこと。

お客様が喜んでくれたのは確かだとしても、私たちが追求している「質」とは「どれだけ感動をしたのか」「一人ひとり違う満足」「どれだけの人が喜びの口コミ(今は書きコミ)をしてくれたのか」ここの追求を徹底するのです。

私たちがこの角度での「満足の追求」がなされていれば、1人のお客様が次のお客様へ。そのお客様がさらに次へと、増える事はあっても、減る事はないという現象を現実化できるはずです。満足の質の追求がこの角度で出来ていないから、その都度その都度、お客様は「喜んでくださった」「とりあえず満足された」で終わってしますのです。これでは未来の展開につながっていかないのです。

量の展開では必ず行き詰まります。質の追求があって初めて繋がって、行き詰まりが無くなるのです。どうしても経営現場、営業現場では「何をして・どうしたら?・あと何をしたらいい?」と・・・この「量の追求」をしがちなのです。

もっと、満足の為の絶対量ではなく、1つの事にどれだけ感動をしてくれるのか?という中身「質」の追求をしなければいけないのです。

飲食店の例: 集客が増えない・・・料理の量やメニューを増やす等々はダメ(×)

       集客が増えない・・・料理の質の向上、感動のヒトサラとは?(〇)

チェンジマネジメント2.社員の喜び(エンゲージメント)にも「質と量」がある

私どもがクライアント様とお話しする際に、スタッフへ喜びを提供しましょう!と度々お話しします。ここでの喜びの「量」とは、プレゼント・給料・会社行事・休日等々、少ないより多い方が喜ぶものです。しかし、量の展開では、いずれ行き詰まります。(例:休暇・昇給など)

仕事の喜びとはどのような内容になるでしょうか?喜びは「質」の中にこそあると思います。働く意義・意味・自分の存在意義、パーパスのことなのです。この「質」の提供がなされていない、もしくは、「量」の提供に考えが偏ってしまう場合が多いものです。

ひとつ断っておきたいことは、私たちが追求をしているのは「質」ではあるのですが、一方で「量」についてはどうでもいいとは言っていません。

例えば、「労働条件は厳しいが、会社に行くのが楽しい・うれしい」となるのが理想であると考えます。

例:以前は10億の売り上げがあった会社が、現在は質を求め、色々と考え、売り上げも縮小した会社がある。しかし、社内の関係性や一人ひとりの働き方に変化が生まれ、数字に表れない様々な意味で良くなった会社もある。

チェンジマネジメント3.「質」のともなわない量の展開をしても、求めている結果は得られない

例:ホテルの宿泊事業の場合、「質」が今現在のままで「量」いわゆる露天風呂がもう少し大きくて奇麗な方がいいとか、客室が開放的で、小奇麗なほうがいいとか・・・この「量」をいくら変えても宿泊事業としての「質」が伴わなければ、「いじればいじるほど」「量の展開をすればするほど」苦しくなってしまいます。やり方を幾ら工夫しても、「質」がともなわない「量」になってしまうのです。皆、ここで苦しんでいるのです。

今の時代は、「こういう時代だから・こうしなきゃ・あぁしなきゃ・ここも直して、あそこもこうして」これはあくまで量です。それをどこかで「これがお客様の満足」という意味で「質」だと思ってしまうが、それは違います。これは量なのです

量がともなって、売り上げが増えるならば簡単なのです。資本力があるところに敵わないという意味です。商品を量として山ほど用意しておいて売れるのであれば、山ほど用意できる方が勝つのです。

もう一度整理をしてほしいと思います。もちろん量の展開は大事ですが、「質」のともなった「量」でなければ努力が報われないのです。結構、虚しい努力をしている場合が最近多いのです。時代の変化が激しいから、どうしてもそっちに目を奪われている。

努力している努力を、虚しい努力にはしたくないから、申し上げているのです。アンリミの経営カウンセリングなどでは『「量」にこだわるのではなく、「質」の追求をすると「かならず良くなる」』と言い続けています。改めて確認をしてみてほしいと思います。

 

チェンジマネジメント4.組織運営上の「質と量」(経営上の質と量)

組織運営(経営)上の量とは、売上・資本金・利益・スタッフ数のこと。

例えば、数字は過去最高の数字・売上・利益・スタッフの数 昨年比5割増、設立30年・・こういう「量」の会社があるとします。この数字(量)だけ見ると良い会社です。質を見る眼で見ると、実は数字は出しているが内面・組織の実体は、最近セクショナリズムが強まっていたり、執行部は意見が合わなくなり、兄弟で経営しているが仲が悪い、リーダーの家庭は崩壊し・・・こういう目には見えない、確認ができない所での質の実態があったならばどうでしょうか?いわゆる「質」と「量」は様々な角度から見ないと分からないものです。量で見ると「今はいい状態」という意味にもなりますが、質でみると「将来危ない」という意味に変わってしまう。質と量で見るのでは全く見え方が変わってしまうのです。今という実態を「量で見るのか」「質で見るのか」で全然見え方が違うのです。「質で見る」ことが大事だとあらためてご提案したい。

数字は、こういうご時世なので下がっていて、利益はプラス・マイナス0、資金繰りは厳しい・・・「量」で見たならば大変な会社だと見えます。質の眼で見ると、そんな状況であっても社内は一致団結して、社員は少ないが助け合い、麗しいという実態の会社があるとしたならばどうでしょか?

どちらの会社が良いかわからなくなりませんか?もちろん(質と量)両方良いにこした事はありませんが・・・。未来が良い会社の方が良いと思いませんか?現実を「質と量」という角度で、きちんとした見方をする。「量」でしか見えなくなると危ういのだと考えます

量と質がともなうことが一番良いことです。「どっち」という話ではないのです。質がともなった、量があればいいのです。質のともなっていない量で、錯覚をしている場合があまりにも多く見受けられます。良くも悪くも今の数字は〝錯覚〟だと、見る事が大切なのです。

あるクライアント様で、経常利益が数十億ある会社があります。社長さんは一生懸命やって、量を増やせば安心できると思ってやってきた。死に物ぐるいでやってきたと。売上げも数百億/経常利益も数十億あります。そこで自分自身を見つめた時に、会社が大きくなって、内面に浮かんできた事は、不安だけだと・・・話されていました。量の追求をした結果、大きくなればなるほど、不安が大きくなったそうです。量とはそういう性質なのかもしれません。不安がそれにともない増大してしまう。なぜなら売上或いは利益の追求だけをしてきたので、失う事が恐ろしいのだと思います。その会社は、アンリミに出会い、質の追求にシフトして、「質の追求」をしたら量の追求はしてないのに量が更に拡大したのです。量だけを追求するのは欲望です

例:50から→100になり、瞬間的に良くなったと思うでしょう。次から100がベースになり、10・20減るとまた減るのではないか…これ以上減るとどうなるのか…となります。要するに自分を見失ってしまうのです

チェンジマネジメント5.量の追求は「欲望」質の追求は「哲学」

質を追求すれば、結果的に量はついてくるのです。私たちは量の展開と質の追求を目指しているのです。実は、質の追求が結果的に量の展開になって表現されます。

質と量の調和・バランスをさせるのが、トップリーダーの考え方・哲学です感情は量に偏り、理論先攻では頭でっかちになってしまう。それを調和させるのが哲学なのです。

お客様の要望という質は、情報が豊かな分だけ増えてきます。この量も、お客様の要望という量に対応しようとおもったら大変な事になります。全国で同じ様な情報が得られる時代になっているので、情報の絶対量が氾濫しています。そのお客様のニーズ・要望という量に対応しようとすると、とてもじゃないけど大変になります。「量に対して、質で応えてく」と、本気で臨まなければ、量で行き詰ってしまうのです。

*注意*

経営上は売上・利益という量である。

量を実現するのは質の追求があってなのです。

量を無視するとは言っておりません。

赤字・儲からなくていい・利益を削れとも言っておりません。

質の追求とは利益を削るような作業でもありません。

量に目が奪われて、本来、今できる事、今やるべき事を見失っているのです。量を否定しているのでは無いのです。量も大事なのです。

チェンジマネジメント6.こだわり=深化(深さ)深化とは深めるという事=質である

こだわりの量ではなく、現場で実践家として生き抜く一人としては、絶対量よりも深化が重要です。「こだわり・深める作業です」「学ぶ量」ではないのです。現場レベルで言うと「何をやればいい」ではなく、「今やっている事」をもっと磨き・もっと強力なものにするのです。量の追求だけでは、他店との違いが分からなくなるのです。

今回は「チェンジマネジメント・企業の変革の重要ポイント」について「経営における質と量」に絞ってお話ししました。何か一つでも参考にしていただけたら幸いです。

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