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人材マネジメントー組織活性化のためにリーダーが取り組むべきポイントは?

人材マネジメントー組織活性化のためにリーダーが取り組むべきポイントは?

≪目次≫

スタッフに思いを伝えるには?

 1.自分の思いを強化する~相手理解が重要

 2.リーダーの自己変革

輝いたリーダーになる~そのためには?

 1.未来中心の考え方を持とう

 2.厳しさの中身を知ろう

 3.リーダーの一念が重要

 4.相手のことを思える自分になること

一人ひとりを思う

 1.一人ひとりとの対話が大事

 2.伝わっているのは思い

スタッフに思いを伝えるには?

 『会社のこと、スタッフのこと、将来について等々、こちらの思いが、なかなかスタッフに届いていないと感じることがあります。思いを社内に伝えるには、どうしたらいいのでしょうか?』と、弊社クライアント様が集う勉強会で質問をお受けしました。その時、次のようにお話しました。

 

1.自分の思いの強化をするー相手理解が重要

 

こちらの思いを伝えたい・・・、こちらの思いをどうやって社員に伝えていけばいいのか・・・、との話を企業トップの方からよくお聞きしますが、大切なのは、伝える伝え方・手段・方法ではなくて、伝わるだけの思いを強化することとの角度が大事だと思います。

例えば、朝、スタッフが、“おはようございます”と出社してくる。顔を見た瞬間に“元気が無いな”“体調が悪そうだな”といった相手の状況を、瞬間的に様々に見て取れる・感じることがあると思います。ということは、その(元気の無い、体調が悪い)ことをそのスタッフが語らなくても、こちらにはしっかりと伝わっているということ。どんなふうに話せば伝わるのか・・・ではなくて、伝わるだけの思いがあるのか、あるいは相手が感じるほどの思いなのか・・・。その、自分の中にある思いが大事なのだということです。

「アンリミから学んだことをスタッフにも教えたいのですが・・・」ということも度々お聞きします。相手・スタッフのことも良くしてあげたい、との善意で、“伝えたい”という気持ちは分かるのですが、言ったり、教えたりしなくとも、学んだことに対して『自分がどういう風に取組んで、自分としてどういう思いで実践しているのか』というその思いが、既に伝わってしまっているということ。学んで、“こうなんだ”と口で教えたことが伝わっているのではないのだということです。

“伝えたい・・・伝えたい・・・、伝えたいのに何で分かってくれないんだ”という思いが伝わってしまって、“こうしたい、こうも言っている。なのに、なんでわからないんだ!”という思いが伝わっていたりする。その思いが強烈だから。つまり、その思いの中身はどういったものなのか?が大事だということ。

今、申し上げたのは、こちらの思い。次に、相手の思いとすれば“社長の言っていることは分かるけれども、私たちのことも少しは分かって下さいよ!”という思いを抱いている。そこにギャップがある。

そういう現実があった上で、我々が優先すべき思いはどちらの思いなのだろうか?それは勿論、相手の思い。相手の思いを理解した分だけ、相手もこちらの思いを理解してもらえるというのが、私たちの学んでいる理論。でも、実践現場、日常業務になると、つい自分の思いを優先させた振舞いになってしまうものです。それでは、なかなか上手くはいかない。現場で見誤ってしまうところだと思います。

目に見えないものなので、理論的なことに聞こえるかもしれませんが、「思い」は実際に存在し、ものすごいエネルギーを持っています。とかく組織のリーダーであったりすると、“良くしたい”という思いが強いのはあたりまえで、持つな!といってもそうなってしまうのは当然のことです。スタッフを守っていく責任感も、会社の将来に対する危機感も人一倍なければならないポジションですから。そういうトップとしての思いと、現場のスタッフの思いにギャップがある。現場は“自分が良くなりたい”と思っている。この思いのズレがそのまま現場の歪み(ひずみ)を生む。会社を良くしたいというリーダーと、自分が良くなりたいという現場スタッフとが現実に同じ場所で働くのですから。

再確認ですが、相手の思いを理解した分だけ、相手もこちらの思いを理解してもらえるというのが方程式です。

 

2.リーダーの自己変革

組織の中で周囲を変えるには、自分が変わるしかないと思っている、或いは気付いている方もいらっしゃることと思います。“自分が変わるしかない”という角度は決して悪くはないのですが、言う・話すという実態にも幾つかあると思います。特別なことではなくて、話す・言って聞かせるというのもあるが、見せるという語り方もあるのです。言葉で言うだけじゃない。自分の姿として見せて、背中で語るという“言う”。

いずれにしても、どんな言葉を駆使していようが、伝わっているのはあなたの思いです。

 

輝いたリーダーになる~そのためには?

厳しい状況におかれたある経営者が、人事等も含めた来期の計画を作っていました。そのポイントは何なのか?とのご質問をいただいたことが有ります。

1.未来中心の考え方を持とう

「会社の現状が厳しい。だから・・・」「現在の売上の動向から見て、だから・・・」というのと、「未来・展望がある。だから・・・」「将来は、こういう組織実態を目指している。それを踏まえて来期は・・・」というのとでは、スタッフに与える“だから”の意味も全然違ってくる。同じ“だから”でも全然内容が違うと思います。

ベースが未来将来希望にあるのか、現状の厳しさと大変さと不安があって、だから・・・なのか。

やることは一緒で、みんなで力を合わせて、営業も頑張って、売上も増やして、智慧を出しあって。でも、社員はどこがベースになっているのかというのを見ているし、感じているし、当然伝わっているのです。

大抵は、幹部会議でやっている内容、例えば、数字だとか、資金繰りだとか、スタッフのためだとか・・・中身は知らなくても、社内のスタッフはそういうのを感じています。

明確にしておきたいのは、思いの基準を、未来・希望・夢・ロマン・・・そこから、“だからこうするのだ”というものであるならば、否定する人はいないと思います。現状からきたら、でも、だって、自分たちだって、やることはやっているとの角度になりかねない。

アンリミのテキストでいえば「発想の原点」ともなる。未来中心なのか、現在が中心なのか、基準が大事。事業計画や経営計画などでも、数字と売上が中心なのか、夢と希望が中心なのか・・・、それによって伝わるものは全然違うということです。相手が感じる意味合いは全然違っていると思う。

 

2.厳しさの中身を知ろう

今期、来期、来々期・・・と、会社経営は続く。確かに現実というのは変え難いもの。厳しいとか、大変だとかは、変わらない。でも、“厳しさ”の意味は変えられる。ここが大事。未来から発想しての厳しさなのか、やり甲斐のある厳しさなのか、よし、なんとしても未来の姿を実現してみせる!という厳しさなのか、これでは益々厳しい、もう来期はダメだ・・・という厳しさなのか。現実は変えられないが、意味は変えられる。ここが考え方や捉え方の偉大さなのです。実は、意味合いが変わると、現実も変わってしまうのですが。

理想を高々と掲げている限り、いつでも、ずっと厳しいということ。常に理想を目指しているからこそ。厳しい意味を分かちあったならば、それも楽しんでいけるようになる。

現実的には、知らずしらずのうちに、会議も、違う方向に向いてしまっている可能性もあります。我々は、いつも人間中心で、優先順位は、スタッフそしてお客様。そういう意識で、そのための会議・ミーティングを行なっていただきたいと思います。

≪関連記事:魅力的なリーダーになるための3つのポイント~人を惹きつけ組織を動かす!リーダーとしての資質を磨く

3.リーダーの一念が重要

組織人事というのは、経営における大切なキーワードだと考えます。組織が変わるという意味は、例えば、体制が、役員構成が、誰が・・・といった目に見える姿が変わるということではなくて、組織・人事の目に見えない実態、所謂(いわゆる)リーダーの一念そのものなんだということを申し上げたい。

どんなに人を異動させたり、組織体系を変えても、リーダーの一念が変わらないと、何も変わらないということです。単なる、ああした、こうしたとの、リーダーの自己満足の世界になってしまう。変化、時代に応じた様々な対応というのを、否定するものではありません。が、組織の変化にともなった、リーダーの一念の変化がともなっているのかいないのか、この目に見えない実態が、最も大事だということ。

よく、時代状況が、市場環境が変わって、厳しい状態になったから、組織も変えて、体制も変えたとお話される方がいますが、何か忘れていませんか?と確認したい。厳しくなった、環境が変わったなら、先ず、リーダーの一念が変わって、その結果として、組織もこう変わったというのが本当なのではないですか?と。厳しい環境に対して、一段と強い一念。これが無かったら、どのように体制を変えてみても、思うような結果は得られないと申し上げておきたい。組織人事とは、現実には目に見える姿ともなりますが、大事なのは目に見えないところにあります。それはリーダーの一念と覚えておいていただければと思います。

「目に見える姿・形・実態の全ては、目に見えない思いが形になったものなのだ」と、アンリミテッドの創業者もよく申しておりました。こんなものがあったらいいなという思いがあって、真剣に考える人がいて、先駆者がいて、形になって、その利便を我々は享受しているだけなのだと。肉眼で見えるものは、肉眼で確認すればいいのだけれど、見えないものを見るには、哲学や考え方というものを通してでないと見えないのです。

4.相手のことを思える自分になること

例えば、スタッフの思いを大切にしようとなると“じゃあ、スタッフのために、何々を、どうしよう”との方向になりがちです。そうではなくて、例えば、感謝の思いをずっと思っていくと、自然に“こうしたい”となるのです。そういう思いでなかったなら相手には何も伝わらない。どうしようというのは、手段であり、方法論だから伝わらないのです。“こうしたい、こうさせてもらいたい、こうしてあげたい”という思いになると相手には伝わる。目に見える形としては、同じ何かをするのかもしれないが、伝わるものが違う。

“そうしてあげたくてしょうがない”という状態になるのです。

そうできるようになりたいのですが・・・といわれても、すぐにはなれない。自分の中にその回路がないとそうはなれないのです。だから今、哲学を学んでいる。学んで、確かにそうだなと感じられる実体験を何回も繰り返して、自然とそのように思える自分を作っていく。そういう研鑚を経て、自然な形で出てくるような自分になれれば、相手には一番伝わるということ。目に見える行動として同じことを、同じようにやっても結果は違う。何が違うのか?思いが違うということ。

一人ひとりを思う

あるスタッフが百数十名いる会社のトップが、スタッフ全員の個人面談をやろうと実践を開始したのですが、時間的に業務上においても現実的に全員とのONEオンONEは難しいので、どういうところから進めていけばいいのでしょうか?と質問が有りました。

1.一人ひとりとの対話が大事

物理的には確かに大変なことかもしれません。が、目に見えない世界、いわゆる質の世界においては可能であるということを確認しておきたい。個人面談とありますが、“個人”すなわち“自身の胸中”において面談をするのだということ。自分の内面で、百数十名と個人面談をする。

具体的には、例えば朝出社して、スタッフ名簿を前にして、一人ひとりと語りあう。退社する前に、また一人ひとりと確認する。臨床的に申し上げると、弊社アンリミテッドクリエーションの社内体制でいえば、月に一回ほどしか会えないようなスタッフも、中にはいます。しかし、こういうことをやっていく中で、久しぶりに会った時には、こちらからも親しみがある状態で、相手からも距離感が無い状態で接することができているということを体験します。物理的には無理でも、質においては可能なのだということを感じます。

名簿を見ていくと、不思議なことに、とまる(気になる)ところが出てくる。一日や二日では出てこないけれども、続けていくとそういう状態になる。朝、気になったら直ぐ話をしてみる。相手から見ると“なんで分かるのですか?”となる。外れる場合もあるが・・・。実践してみると、自分の内面が全く違うことを感じる。

自分の会社のスタッフ一人ひとりをどれだけ考えて、思って、気にかけているか?と聞かれても、なかなか自信を持って“私は思っています”とは言えなかったりもする。こういう努力も一つの角度だと思います。このような実践が相手を思う思いの強化に繋がる。売上のこと、経費のこと、取引先のことなどが思いの中心だったのが、社員のこと、その家族のことが気になるようになり、10人、20人・・・と思うようになっていく。

 

2.伝わっているのは思い

思いというのは、ものすごいエネルギーを持っています。その思いがどういう思いなのか、どういう角度なのかが問題なのです。巨大なエネルギーを持っているだけに、思いの角度にちょっとのズレが生じると、破壊力を持っていますから、周囲の人を傷つけてしまったりすることがある。

人間は、感じる動物なのです。“うちのリーダーは、いつも売上、利益のことばかり考えている”となるのか、“いつでも自分達のことを思ってくれている”と感じるのか。絶対に隠せないのです。言わないから分からない・・・ではなくて、言わなくとも、姿を見せなくても感じている。思いとは不思議なものです。

先程も「会社の方向性について、スタッフになかなか伝わらない」という話がありましたが、テキスト『熱き旅立ち』の中に・・・

うちの会社はどういう会社なのかではなくて、うちのリーダーはどういうリーダーなんだというのが、分かりやすいかたちで、スタッフに理解されていることが大事

(熱き旅立ち 蘇生七・P75~)

と書いてあります。

様々なことを情報公開したとしても、なかなか現場の末端まで伝わるものではないが、このこと(どういうリーダーなのか)は正確に伝わっていく。いろいろな打ち出しがされた時に、初めのうちは、スタッフに戸惑いがあったとしても、“きっとうちのリーダーはこういう人だから、こういう方向性でいいんだ!”と力強く活動に移れる。

思いがかたちを変えて、相手からの印象、目に映る姿ともなっている。〇〇社長はお客様を第一に思っている人だ、〇〇専務は我々のことをいつも考えてくれている、〇〇さんは数字のことで頭がいっぱいのようだ・・・と。思いは、スタッフであろうがお客様であろうが、みんな伝わっています。

組織はリーダーの考え方や思いをベースとした時々の判断や指示、実践で動いています。皆様の現場において、先ずは、リーダー自らが輝いて、躍動する組織へと成長していくことを願っています。

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だからこそ、私たちの一人ひとりへの思いを常日頃から確認する作業が重要になってくるのです。

 

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