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組織活性化のポイントー充実感と安心感の提供

組織活性化のポイントー充実感と安心感の提供

今回のテーマの一つは『充実』です。皆様におかれましてはこのテーマのもと、様々な取り組みをされていると思います。会社組織の強固な体制づくり、業務改善、あるいは時流に即した商品や顧客満足の追求、等々と。さらにその上で大事なことを確認すると、それら様々なシステムや顧客満足を実行するスタッフ、また、そのスタッフの中心者であるトップリーダーの『充実』はいかがでしょうか。

組織活性化のポイント1/トップリーダーとスタッフの充実

言うまでもなく、どれほど優れたシステムや方法論を導入したとしても、それらを活かすスタッフによってその効果は違ってきます。また同じように、トップリーダー如何によってもスタッフたちは変化します。いわば、波紋をつくりだす一滴はトップリーダーの充実です。トップリーダーの充実が起点となってスタッフへと伝わり、そのスタッフの充実が本質的な要因となって業務へと表れる。

それでは、トップリーダー自身の充実とは何か。一言集約して言えば『言動の充実』です。それは、一人ひとりが自発的で能動的に動く言動の配慮、とも言えます。

とかく、トップリーダーはその立場上、責任感にあふれ、はからずも結果に執着してしまうものです。だから、どうしても結果優先、あるいは業務優先の言動をする傾向が強くなるものです。そうではなく、現場ではどういう言動が求められ、何を期待されているのかと、スタッフを中心に考える。

だからと言って、何か特別な配慮や譲歩をしたり遠慮したりすることでもありません。望ましいのは、決してつくろわず、ありのままでよいのです。夢や希望、あるいは、悩みや苦しみなど、スタッフ一人ひとりのことを本当に思えば、自然と言動の配慮に繋がります。そうしたならば、結果として自ずとスタッフたちは自在に力を発揮するのではないでしょうか。

内面の充実を

トップリーダーの充実、スタッフの充実をスポーツの世界に当てはめて言えば、〝心・技・体〟と言えましょう。一流の選手は人一倍に体を鍛え、技を磨き、心を充実させています。私たちの世界で言えば、元気で健康を保ち、スキルやテクニックを磨き、内面を整えるといったところでしょうか。

とはいえ、一般的には能力や技術といった〝技〟の充実に偏る傾向があることは否めません。確かに大事なことです。その一方で、〝心・技・体〟の充実の最大の起点となっているのは〝心〟つまり『内面の充実』であると考えます。そのポイントを集約すると四つ。

一に、限りない向上心。何があろうともひたむきに自己変革・自己成長を目指すゆるぎない求道心。また、決して慢心することのない謙虚な心、とも言えます。

二に純粋さ。現実と向き合い、すべてを受け入れて、尚、希望に生き抜くこと。

三に継続。変化しつづける時代のなかで、絶えず創意工夫の限りを尽くしゆく。

四に主体性。困難なテーマに立ち向かうなかに、感謝と歓喜を創造することです。

この四つのポイントが、難しいテーマであることは承知しております。その上で、今日から始められる実践的なことを一つ挙げるならば、『好きなことを一つやめて、嫌いなことを一つやる』ことです。

たとえば、毎日の飲酒をやめて、週に一度は本を読む時間を取るというような。直接的には『充実』に結びつかなくとも、それまでとは違う自分がつくられていく一歩になることは確かです。そして、こうした実践を一つひとつ積み重ねていくなかで間違いなく内面の質は変化します。逆に、今までとは何ら変わりのない自分でいる限りは、それこそ何も変わらないのではないでしょうか。

帰するところ、社内の充実をつくりだす最大の起点となるものは、トップリーダー自身の内面です。そして、その内面の充実がトップリーダーの言動に表れ、周りの人間空間へと広がっていくのです。内面の充実によって、本来持っている自身の素晴らしい人間性を伸び伸びと輝かせていけるのではないでしょうか。

 

組織活性化のポイント2/企業を活性化させる安心感

社員一人ひとりがそれぞれの個性を発揮させ活きいきと活躍する、そして尚且つそれが社内で調和する組織風土。このような企業体制の醸成こそ、会社蘇生を目指す経営者に求められていることだといえるでしょう。では、社員が活きいきと仕事に取り組むには何が必要なのか。大事なテーマの一つは『安心感』です。

安心につながる仕事面以外での配慮

社員は家に帰れば、それぞれが父親、母親、また息子、娘であるという家庭での側面を持っています。その家庭に問題や悩みがあれば、社員は頑張りたいと思っても頑張りきれないことが多いものです。

つまり、経営者はスタッフの仕事以外の側面にも配慮することが大切です。この点、中小企業の多くは配慮が少ないことが多いように思います。

たとえば、育児休業や福利厚生の充実など一律的な制度を設けることも大切ですが、家庭での悩みや困っていることなど、個々の事情に応じて、勤務時間や休暇を配慮したり、あるいは社内貸付などのサポートを考えることも大切です。

そして、こうした『プライベート面での憂いがない』という安心感以上に、さらに大事なことは、『自分のことをしっかり見てくれている』という安心感です。言い換えれば、『リーダーは、私の大変な思いや苦労を分かってくれている』という安心感です。

社員の内面にまで思いを馳せるようなリーダーのもとでは、自然と社員は全力を尽くすものです。

 

安心感を生むための評価の中身

また社員が本当の安心感を持つには、ヒューマニズム(人を大事にする考え方)に基づいた経営をすることです。ヒューマニズム的経営とは、人間そのものを中心に考える経営です。といっても、好き嫌いの感情を優先させたり、妥協や曖昧さを容認するということではありません。

スタッフを一つの仕事面のみから評価するのでなく多面的に見ることです。たとえば、スタッフのなかには、ミスが多くとも周りを励まし元気づけていたり、逆に個人の成績は良くとも身勝手な行動が多く周りのスタッフを困らせているというケースもあります。また、誰しもスランプの時期はあるものです。瞬間的な結果で評価し、責めたり、厳しい処遇をしたところで、本人のモチベーションはなかなか上がらないでしょう。総合的に評価することが大切です。

危惧するのは、結果を出せない社員に対し、ダメのレッテルを貼ってしまうことです。そして一度、できない社員だと評価されたスタッフは本当にダメになってしまうことが多いものです。どの社員も一見みえない様々な側面を持っています。たとえダメのレッテルを貼られた社員でも、別の側面をよく見ていけば、また違った可能性を持っているものです。

いずれにせよ、スタッフ一人ひとりの個性や違い、得手不得手を踏まえた、正しい評価が『自分のことを見てくれている』という安心感へとつながり、その安心感がモチベーションをあげるベースとなるのではないでしょうか。

社員がダメだから会社の状況も悪い、と経営者が嘆くうちは企業の改善はあり得ません。社員を様々な角度から見て、どのようにしたら力を引き出せるかをトップ自ら考えることができた時、初めて社員一人ひとりの力が結合して会社の蘇生が始まるのです。

  

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