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召し上がっていただけるサービス、いただけないサービスー経営者が知っておきたいサービススキルアップ講座

召し上がっていただけるサービス、いただけないサービスー経営者が知っておきたいサービススキルアップ講座

お客様のリズムはサービススタッフが作る

 飲食業にとって、料飲サービスは生命線です。そのサービスの如何によって、お客様の感情は左右されるものです。レストランに限らずホテルや旅館、結婚式場などであれば、様々な部門のスタッフと同等に料飲部門のサービススタッフの人材育成は不可欠です。しかし、その生命線であるはずのサービスを、どう改善すればいいのかと悩むオーナーやトップリーダーの方々は少なくありません。サービスの違いによって結果は違ってくることを知ることは大切です。質的向上を図るポイントはどこにあるのか。

サービススタッフの心構え

料理をお持ちしたところ、料理を置くスペースがない!料理には箸もつけておらず、下げるのもはばかられる。宴席や結婚式披露宴ではよくある光景ではないでしょうか。料理を召し上がっていただくことも、実は、サービスの大事なスキルです。次の料理が出るまでに料理を召し上がっていないのは、食べたくないわけはありません。その多くは、会話に夢中になっていたり、ちょっと席を外していたり、写真撮影にいそしんでいたりするためです。本当は、料理も楽しみたいと思っている方が多いのではないでしょうか。

サービススタッフの心構えとして、「会話に夢中だからしかたがない」ではなく、「会話に夢中になりながらも、料理も楽しんでいただく」という気持ちが大切です。お客様に料理を召し上がっていただくためには、この料理はきっと食べたらおいしいと思っていただくことです。目の前にある料理に興味をもってもらうことは、サービススタッフの大事な仕事です。たとえば料理を出すごとに、その料理の産地や特徴、味わうポイントなどの説明を添えることで、スムーズに料理を召し上がっていただけるようにもなります。

食事のリズムはサービススタッフがつくる

「お客様のリズムに合わせて料理を出す」—できるかぎりそうしたいものです。しかし宴席や披露宴は限られた時間のなかで、料理をすべて召し上がっていただくことが求められます。料理を召し上がるリズム、それは、サービススタッフがつくらなくてはいけません。

たとえば、一卓ごとに料理を出し終えたところで、「こちらがスズキのソテーの○○ソースです。次は○○の料理がまいりますので、よい状態でお召し上がりください」とメッセージを添えるなど、料理を出すごとに注目をさせて一つひとつの料理に区切りをつける。このように「今、食べる時なんだな」と自然と思わせることも重要です。すべてのお客様に召し上がっていだけるとはかぎりませんが、料理を楽しんでいただける方は確実に増えます。やり方・方法はさまざまです。ぜひ、皆様の現場でも試行錯誤してみてはいかがでしょうか。

新郎新婦は料理を大事にしている

結婚披露宴で言えば、新郎新婦が結婚式場を選ぶ基準のベスト3には、必ず「料理」が入っています。つまり、多くの新郎新婦はおいしい料理を列席者に楽しんでいただきたいと思っているわけです。そうした意味では、料理を出すサービススタッフの役割は極めて重要なのではないでしょうか。どんな料理であっても、出し方いかんによっては、味が変わってしまうものです。ましてや、料理を召し上がっていただけないのでは、新郎新婦の思いを汲み取ったことにはなりません。新郎新婦がそれほど大事にしている料理を出すサービススタッフが、二人の思いをしっかりと受け止めたサービスをする。さらには付加価値をつけて、料理の価値を二倍にも三倍にも高めたいものです。こうしたことを料理の押し付けにならないように、さりげなく行えるサービススタッフを育成することが肝要です。

 

サービスは生命線

例えばウエディングの会場において、営業担当者やプランナーは新郎新婦およびご両家と信頼関係を築きます。それに対し、サービススタッフは列席者との間に信頼関係を築くことができます。わずか二時間前後の披露宴で信頼を得ることは至難の業ですが、サービスを通じ「次にこの店に来るときには、あなたに担当してほしい」とまでになることさえもあります。そして、一人ひとり個性も好みも違うお客様を本当に喜ばせることができるのは、最前線にいるサービススタッフにしかできないのです。

サービススタッフは、使われる立場にあり、比較的軽く見られる傾向があります。しかし、実は極めて奥の深い能力が求められる大事なポジションなのです。極端な言い方ですが、その仕事をお客様に満足を提供する大事なポジションとみるか、料理とドリンクを問題なく出せればいいとするポジションとみるかで、そのお店の評判は大きく変わります。

 

サービスをする醍醐味(だいごみ)

サービスをする醍醐味。それは、食事をする短い時間でいかにお客様を喜ばせるかではないでしょうか。そしてその喜びは、ダイレクトに返ってきます。お客様に喜んでいただくためには、その場の空気を読み、その空間で何をすればいいのかと瞬時に見抜く力が必要です。食事会場の雰囲気、お客様の表情や目線、仕種(しぐさ)、会話あるいは服装や持ち物にいたるまで、全神経のアンテナを張りめぐらせ、その上で、今やるべきことを瞬時に判断し、思いを込めて実行に移す。その結果得られるお客様の喜ぶ表情は、最高の宝です。それは、たんに料理やドリンクを出す、お客様の注文に応えるといった意識ではなしえません。喜んでもらいたいと真剣に思い、喜んでいただく能力を磨きぬいてこそ得られる充実です。現場リーダーは、サービスするスタッフ一人ひとりに対しサービスをする「誇り」を持たせ、常に自分自身を磨くようにすることが重要ではないでしょうか。

 

食文化を提供している

私は、サービスは食の文化を提供する大事な役割を担っているものと考えます。出された料理をそのまま召し上がることもおいしい食べ方の一つですが、その料理に関するさまざまなこと、たとえばその料理の由来や調理方法のポイント、またはその産地の食材がおいしい理由などを知った上で食事をすることも食事を楽しむ大事な要素です。お客様に喜んでいただくサービスの一環として、食により興味を持ってもらう、食事そのものをより楽しんでいただくことが大切です。

古今東西、おもてなしとして料理を召し上がってもらうことは、普遍(不変)のことではないかと思います。

宴席のシーンで言うならば、今後のブライダルでは、晩婚、再婚、オメデタ婚などが増え、演出を控えた食事のみのパーティが増える可能性は大いにあります。ブライダル業にとっては、食事だけでも最高の満足を提供することが大事な要素になるのではないでしょうか。また、お別れの会や法要といったシーンでのバンケットの利用も考えられます。演出や催しが組み難い宴席にあっては、料飲とサービスはよりお客様から見られるものです。単に料理をお出しするだけのサービスを続けていれば、お客様からの評価の向上は望めません。シーンに合わせた料飲の本質を汲んだサービスのマインドと技術が求められるものと考えます。

サービススタッフにしかできないこと

サービスの違いによってお客様の満足度合いは勿論のこと、お店に対する評価、ひいては集客や売上といった結果は違ってきます。飲食業の存在意義は、お客様に美味しい料理を召し上がっていただいて、楽しい・嬉しいひと時、満たされた時間を過ごしていただくことにあると思います。その料理や飲み物をお出しするサービススタッフにしかできないこと、サービススタッフだからこそできることが有ると知っていただけたら幸いです。お客様にご満足と笑顔を!とサービススタッフの皆様のご活躍を願っています。


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